栂(つが)木材ってどんな木?価格・強度・特徴について調べてみたよ!
今回は、栂(つが)木材についてご紹介します。
栂(つが)は国産ですが、よく素材として使われている木材に、米栂(べいつが)があります。
米栂(べいつが)は様々な素材として使われている一方で、国産の栂(つが)は、目に触れることも少なく、木材としても非常に少ないものです。
米栂(べいつが)は、北米産の木材で、湿気に弱く、含水率の高い状態では腐りやすいです。
国内産の栂(つが)も湿気に弱いため、建築用などで使われることがなく、スギが主に、使用されていました。
そんな栂(つが)材について、価格・強度・特徴について調べてみましたので最後までご覧ください。
栂(つが)木材ってどんな木?
栂(つが)の木は、マツ科の常緑針葉樹です。
- 産地:関東以南の本州、四国、九州、屋久島などに分布
- 別名:トガ(関西での呼び名)
- 樹高:40m
栂(つが)の木は、山地などの急斜面に多く、同じような場所に生息しているもみの木と似た大木です。
栂(つが)の木は、一般家庭での植栽は稀で、主に、公園や神社の御神木(ごしんぼく)として植えられています。
また、栂(つが)の木は、日本以外では韓国にも生息しています。
別名に、トガとありますが、関東では「ツガ」、関西では「トガ」と呼ばれ、地方によっては、イチイ・モミノキ・カラマツの樹種を「ツガ」や「トガ」と呼ぶこともあり名前においては混乱しています。
栂(つが)木材ってどんな種類があるの?
ツガ属には、10種類あり、世界に分布しています。
その一つが、米栂(ベイツガ)で、一般的に流通している木材が、米栂(ベイツガ)に当たります。
そして、日本には、栂(つが)の本種とコメツガの2種類が生息しています。
コメツガは、マツ科ツガ属の常緑針葉樹で、日本の固有種です。
コメツガという名前は、「葉っぱが小さいツガ」という意味だそうです。
「アメリカ産のツガ」を意味する米栂(ベイツガ)とは、全く別の種類のものです。
コメツガは、栂(つが)や米栂(べいつが)ほど大きく育ちませんが、環境が良ければ、20mほどまで成長します。
コメツガは、本州~九州の高山に多くみられる常緑針葉樹で、本種の栂(ツガ)よりも寒さに強い樹種です。
コメツガの自生地は、コメツガだけで形成される林もあります。
「コメツガ」の名前の由来
名前の通り、米粒のように細かい葉っぱ、あるいは、栂(ツガ)に対して小さいということから「コメツガ」とつけられたそうです。
コメツガは、高山に多くみられますが、平地では、公園などに稀に植えられていることもあります。
東京にも、植えられていることもありましたが、温暖化が進むことで、生育が難しくなり、現在では、ほとんど見ることはなくなりました。
栂(つが)ってどんな特徴があるの?
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天然の栂(つが)の成長は、ゆっくりで、年輪幅が狭く、はっきりと見えます。
比重は、平均値からみると、針葉樹材としては、やや重硬な木材で、耐久性は中庸、乾燥に関しては容易に行うことができます。
関西では、栂(つが)木材は、建築用材や健具用材として、好まれていたこともありました。
理由は、栂(つが)をカンナで削ると、材面に白い粉が見えることがあり、この粉が鉱物質の結晶とされていて、古くから「ネズミに噛られない」と言われていたそうです。
しかし、近年では、この白い粉はフロコソイドという有機物質であることが分かっています。
栂(つが)木材の強度ってどれくらい?
栂(つが)木材の強度については、科学的な数値に表すとこちらです。
曲げの強さ | 圧縮の強さ | せん断の強さ |
58.9〜82.4 | 30.5〜43.1 | 9.4〜11.8 |
表のように、せん断力の強さは9.4なので、スギ材よりも耐える強さがあります。
せん断力が高いということは、建築材として使用する時に、柱などには良い木材と言えます。
さて、「スギ」ですが、栂(つが)材がなかなか手に入らないので、栂(つが)材の代わりに、よく使われていたようですね。
そんな「スギの木」についての記事が、こちらの記事です。
この機会に是非、ご一緒にお読みください~⇩
また、杉材(すぎ)材 の強度についても、詳しい記事になっていますので、是非、こちらも一緒にお読みください⇩栂(つが)木材はどんな家具に使われているの?
栂(つが)木材の用途としては、建築材や造作材などに使用されてきました。
その他に。。
- 包装
- 車両
- パルプ材
- 枕木
- 器具
- 長押
- 敷居
- 鴨居
などがあります。
パルプ工業が主として、モミなどと一緒に原料として使用されていました。
しかし、一般的には、あまり栂(つが)材を使う習慣がなく、スギを主に使用していたそうです。
栂(つが)木材の価格は?
栂(つが)木材は、基本的には並といって良いでしょう。
木材としては、そこまで高価なものではなく、一般的に使われている木材です。
一方、大量に輸入されている米栂(べいつが)に関しては、安価な木材なので、スギよりも多く使用されていることがあります。
スギと米栂(べいつが)は、厳しい競争をしているようです。
土地が高くなっている都心で、安く家を建てる際に使用されているのは、米栂(べいつが)が、多いようです。
栂(つが)木材についてのまとめ
「栂(つが)木材ってどんな木?価格・強度・特徴について調べてみたよ!」をお届けしましたが、いかがでしたか?
栂(つが)木材は、古くから木材としての用途はありましたが、あまり多くは使われていませんでした。
建築や造作用材などに使われていましたが、あまり目に触れることが少なかったそうです。
そして、現在多く使われているものとしては、米栂(べいつが)が、大量に輸入されていることから、国産スギと競争が起こっているようです。
栂(つが)は、公園や神社の御神木(ごしんぼく)として、植えられていることがあります。
栂(つが)は、産地などに多く自生していますが、急斜面に生息していることが多いので、なかなか見る機会も少ないかと思います。
また、地方によって呼び方が違っていることもありますので、栂(つが)といっても実際はなんなのか。しっかりと確認する必要がありますね!
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。