黒柿とはどんな木?種類・特徴・使われる家具などを総まとめ
木材の色って、どんな色でしょうか?
多くの方は「茶色」や「白色」のような色をイメージするかと思います。
もちろん、そのような色合いの木材は沢山あります。
しかし、木材の中には、とても木材とは思えない色合いを出す物があるのです。
様々な色合いのある木材ですが、その中でも古くから珍重された色といえば「黒色」でしょう。
日本には古来、黒色を特徴とする木材は、ほとんど存在していませんでした。
後年には、ヤエヤマコクタンや、他の輸入材で黒色の木材も扱われています。
昔の日本で黒色を持つ木材こそが、クロガキだったのです。
その黒さに、多くの人が憧れを抱き、そして貴重な物として扱われてきた歴史があります。
ここでは、「クロガキ」について話を進めていきましょう。
黒柿とはどんな木?
まず、黒柿(クロガキ)という樹木の種類は、存在しません。
どういう事かと言うと、黒柿とは、皆さんがご存知の柿の木そのものなのです。
桃栗三年柿八年という言葉にもある柿。
秋の味覚として多くの方に好まれる果実の柿。
その柿が実をつける木です。
柿の木が、大きく育ち、古くなっていくと、ごく稀に色素異常をきたして、黒い色素が沈着する事があります。
なぜ、色素異常をきたすのかは良く分かっていません。
育ち方なのか、育った地域なのか、それらもよく分かっていないのですが、稀に黒くなる柿の木があるのです。
自然が生み出した気まぐれとも言える柿の木、それがクロガキです。
黒柿ってどんな特徴があるの?
タンニンは、動物の皮をなめす際にも用いられ、皮が革になるためには必要なものでした。
タンニンは、口に入れると渋く感じる成分で、粘膜などのタンパク質を変化させるので渋く感じるようです。
黒柿(クロガキ)は、その名の通り、黒色が入った柿の木を木材として扱われた物です。
黒柿(クロガキ)は、全てが真っ黒というイメージではなく、どちらかといえば白い木に、墨汁を流したような穏やかな色合いが特徴です。
黒柿(くろがき)は、日本人の美的感覚にマッチした風合いで、和のテイストが非常に強い木材とも言えるでしょう。
強調されない黒色こそが珍重される理由です。
柿の木の割れやすい性質と、希少価値が高いことから、フローリングなどに使用される事はありません。
黒柿はどんな家具に使われているの?
クロガキは、その価格の高さからも、日本では非常に高価な製品に加工されてきました。
木材としては、柿の木と同じ性質を持ちますので、用途は基本的に、柿の木がベースとなります。
柿の木は。。
- 裂けやすい
- 割れやすい
という性質があるので、建築材などには、一般的には不向きです。
また、価格が非常に高いために、家具に使用する際にも、あまり大きな家具としては流通しません。
小ぶりの箪笥や小物入れ、茶杓(ちゃしゃく)や指物、または、囲碁や将棋に用いられる碁笥(ごけ)などに用いられます。
- 黒柿 箪笥
- 黒柿 木箱
- 黒柿 シャーペン
- 将棋 丸型駒箱
近年では。。
- 本のしおり
- 筆記用具
などに加工される事もあります。
ただし、金額は一般的な黒柿(クロガキ)であっても非常に高価な物となるでしょう。
黒柿の記事は、他にもございます。
黒柿の杢だったり、色の経年変化だったり、もっと詳しく書いてございますので、この機会に是非、ご一緒にお読みください⇩
黒柿 万力(まんりき)ってどんなもの?
古くから、クロガキの風貌は憧れの的でした。
どのような業界でも、クロガキの魅力を最大限に、引き出そうと、様々な加工品が登場してきました。
釣りは、多くの方が趣味として楽しむ、アウトドアレジャーのひとつです。
釣りと一言で言っても。。
- 海釣り
- 渓流釣り
- ルアーフィッシング
など、様々な釣りの対象や、釣り方があるようです。
なぜ、クロガキの話題に釣りの話が出てきたのでしょうか。
実は、釣りの中でも、古くから日本で愛されている釣りに「ヘラブナ釣り」があります。
ヘラブナ釣りの愛好家の方は、実は、クロガキに対して特別な思いを持たれているそうです。
ヘラブナを釣る時に、ヘラ竿を固定する道具を用います。
その道具を「万力(まんりき)」と呼ぶのですが、最高級の万力が、黒柿(クロガキ)で作られた物と言われています。
確かに釣り竿を固定する道具に、クロガキの表情があしらわれていたら、それは見事な物でしょう。
色々なところで、活躍している黒柿ですが、同じように黒い木として、黒檀(コクタン)がありますね。
この黒檀についての記事もあります。
同じ黒い木でもどのようなものなのか、ご一緒にお読みくださいませ~⇩
また、黒い木として、有名なのが、「ウェンジ材」がありますね。
ウェンジ材についてに記事もございます。
是非、この機会にご一緒にお読みいただき、木材についての知識を深め、木材にもっともっと愛着を持っていただければ、嬉しいです⇩
https://mihoyukiko.com/wenji-top/
黒柿木材についてのまとめ
現代でこそ、黒さを特徴とする木材といえば。。
- アフリカンブラックウッド
- 黒檀(コクタン)
- ウェンジ
など、多くの木材を挙げる事が出来ます。
しかし、その中でも、銘木として非常に高い価値を持っているのがクロガキです。
もっと黒く、そして、もっと重厚な木材があったとしても、決して色褪せる事のないクロガキの魅力。
とても、希少価値の高いものです。
まず、一般の店舗で見かける事は出来ない代物だと思います。
しかし、どこかで、クロガキで作られた製品を見る機会はあるかもしれません。
その際にはぜひ、クロガキの風情ある表情と、その値札を見て驚いてみてください。