黒柿とはどんな木?種類・特徴・使われる家具などを総まとめ

2022年12月19日

木材の色って、どんな色でしょうか?

多くの方は「茶色」や「白色」のような色をイメージするかと思います。

もちろん、そのような色合いの木材は沢山あります。

しかし、木材の中には、とても木材とは思えない色合いを出す物があるのです。

様々な色合いのある木材ですが、その中でも古くから珍重された色といえば「黒色」でしょう。

 

日本には古来、黒色を特徴とする木材は、ほとんど存在していませんでした。

後年には、ヤエヤマコクタンや、他の輸入材で黒色の木材も扱われています。

昔の日本で黒色を持つ木材こそが、クロガキだったのです。

その黒さに、多くの人が憧れを抱き、そして貴重な物として扱われてきた歴史があります。

ここでは、「クロガキ」について話を進めていきましょう。

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黒柿とはどんな木?

 

まず、黒柿(クロガキ)という樹木の種類は、存在しません。

どういう事かと言うと、黒柿とは、皆さんがご存知の柿の木そのものなのです。

桃栗三年柿八年という言葉にもある柿。

秋の味覚として多くの方に好まれる果実の柿。

その柿が実をつける木です。

柿の木が、大きく育ち、古くなっていくと、ごく稀に色素異常をきたして、黒い色素が沈着する事があります。

 

なぜ、色素異常をきたすのかは良く分かっていません。

育ち方なのか、育った地域なのか、それらもよく分かっていないのですが、稀に黒くなる柿の木があるのです。

自然が生み出した気まぐれとも言える柿の木、それがクロガキです。

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黒柿ってどんな特徴があるの?

黒い色素は、タンニンが金属分子と結合した物が、主成分と言われています。

タンニンというのは、植物が持つ成分で、タンパク質と強く結合する性質を持っています。

タンニンは、動物の皮をなめす際にも用いられ、皮が革になるためには必要なものでした。

 

タンニンは、口に入れると渋く感じる成分で、粘膜などのタンパク質を変化させるので渋く感じるようです。

黒柿(クロガキ)は、その名の通り、黒色が入った柿の木を木材として扱われた物です。

黒柿(クロガキ)は、全てが真っ黒というイメージではなく、どちらかといえば白い木に、墨汁を流したような穏やかな色合いが特徴です。

 

黒柿(くろがき)は、日本人の美的感覚にマッチした風合いで、和のテイストが非常に強い木材とも言えるでしょう。

強調されない黒色こそが珍重される理由です。

黒柿は、古くから、装飾品や美術品、茶道具などに利用され、非常に高価な物として取引されてきました。

柿の木の割れやすい性質と、希少価値が高いことから、フローリングなどに使用される事はありません。

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黒柿はどんな家具に使われているの?

クロガキは、その価格の高さからも、日本では非常に高価な製品に加工されてきました。

木材としては、柿の木と同じ性質を持ちますので、用途は基本的に、柿の木がベースとなります。

柿の木は。。

  • 裂けやすい
  • 割れやすい

という性質があるので、建築材などには、一般的には不向きです。

また、価格が非常に高いために、家具に使用する際にも、あまり大きな家具としては流通しません。

小ぶりの箪笥小物入れ茶杓(ちゃしゃく)指物、または、囲碁や将棋に用いられる碁笥(ごけ)などに用いられます。

 

  • 黒柿 箪笥

 

  • 黒柿 木箱

 

 

  • 黒柿 シャーペン

 

 

  • 将棋 丸型駒箱

近年では。。

  • 本のしおり
  • 筆記用具

などに加工される事もあります。

ただし、金額は一般的な黒柿(クロガキ)であっても非常に高価な物となるでしょう。

黒柿の記事は、他にもございます。

黒柿の杢だったり、色の経年変化だったり、もっと詳しく書いてございますので、この機会に是非、ご一緒にお読みください⇩

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黒柿 万力(まんりき)ってどんなもの?

古くから、クロガキの風貌は憧れの的でした。

どのような業界でも、クロガキの魅力を最大限に、引き出そうと、様々な加工品が登場してきました。

釣りは、多くの方が趣味として楽しむ、アウトドアレジャーのひとつです。

釣りと一言で言っても。。

  • 海釣り
  • 渓流釣り
  • ルアーフィッシング

など、様々な釣りの対象や、釣り方があるようです。

なぜ、クロガキの話題に釣りの話が出てきたのでしょうか。

実は、釣りの中でも、古くから日本で愛されている釣りに「ヘラブナ釣り」があります。

ヘラブナ釣りの愛好家の方は、実は、クロガキに対して特別な思いを持たれているそうです。

ヘラブナを釣る時に、ヘラ竿を固定する道具を用います。

その道具を「万力(まんりき)」と呼ぶのですが、最高級の万力が、黒柿(クロガキ)で作られた物と言われています。

確かに釣り竿を固定する道具に、クロガキの表情があしらわれていたら、それは見事な物でしょう。

色々なところで、活躍している黒柿ですが、同じように黒い木として、黒檀(コクタン)がありますね。

この黒檀についての記事もあります。

同じ黒い木でもどのようなものなのか、ご一緒にお読みくださいませ~⇩

また、黒い木として、有名なのが、「ウェンジ材」がありますね。

ウェンジ材についてに記事もございます。

是非、この機会にご一緒にお読みいただき、木材についての知識を深め、木材にもっともっと愛着を持っていただければ、嬉しいです⇩

https://mihoyukiko.com/wenji-top/

黒柿木材についてのまとめ

現代でこそ、黒さを特徴とする木材といえば。。

  • アフリカンブラックウッド
  • 黒檀(コクタン)
  • ウェンジ

など、多くの木材を挙げる事が出来ます。

しかし、その中でも、銘木として非常に高い価値を持っているのがクロガキです。

もっと黒く、そして、もっと重厚な木材があったとしても、決して色褪せる事のないクロガキの魅力。

とても、希少価値の高いものです。

まず、一般の店舗で見かける事は出来ない代物だと思います。

しかし、どこかで、クロガキで作られた製品を見る機会はあるかもしれません。

その際にはぜひ、クロガキの風情ある表情と、その値札を見て驚いてみてください。

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木材

Posted by MOhkubo