黒柿っていったい何色?黒柿の色・孔雀杢・経年変化について調べてみた!

2021年8月15日

黒柿(クロガキ)は、柿の木が、色素異常を起こして、白っぽい木に、黒い部分が入り込んだ木材を指します。

日本では、古くから珍重されてきた木材なのですが、現在では、黒い木といえば、他にも様々な物があります。

  • アフリカンブラックウッド
  • 黒檀(コクタン)

など、銘木の中でも黒い木材として扱われています。

それでも、クロガキは、クロガキとして、確固たる地位を誇っている銘木中の銘木として扱われるのです。

果たしてクロガキには、他の黒い木と違って、どのような魅力が隠されているのでしょうか。

クロガキの魅力的な部分を掘り下げていきましょう。

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黒柿の産地ってどこ?

クロガキは、本州以南に、全国的に広く分布しています。

木の種類としては、柿の木ですので、民家や農村などに生えている柿の木と同じ生息域となります。

庭の木になった柿をかじって怒られたり、通学路の柿を、もいでみたら渋柿で不味かった。。。

など、柿に関するエピソードは、沢山あるかと思います。

皆さんの思い出にも、柿にまつわる物はありませんか?

日本では、柿という果物は、非常に身近なもので、ごく一般的な日本を代表する果実といっても過言ではないでしょう。

それくらい日本に広く普及している柿。

その柿の木が、ごく稀に黒くなったものが黒柿(クロガキ)として珍重されるのです。

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黒柿っていったい何色なの?

黒柿は、読んで字の如く、黒い色素が入り込んでいます。

しかし、黒い色素を帯びて成長しているのではなく、いわば後天的に、色素異常を起こして黒く染まったと表現するのが近いでしょう。

樹脂が黒い色素を持っている訳ではありません。

クロガキは、いわゆる柿渋と呼ばれるタンニン構造を持つ化学物質によって黒くなったと考えてください。

黒柿(クロガキ)の黒は、どのような黒色なのかといえば、黒檀(コクタン)などの漆黒(しっこく)とは、また異なります。

 

どちらかといえば、灰色から黒色に掛けての、若干薄く感じる黒色と表現するのが近いかもしれません。

黒柿(クロガキ)の黒は、色合いとしては、水で少し薄めた墨汁の色に近い黒です。

 

まるで、白い木材に墨汁を垂らし、木を伝わったかのような表情を描く事があります。

その自然の描く風貌こそが、クロガキの最大の魅力と言えるかもしれません。

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黒柿の有名な木目ってどんなの?


…一般的に好まれるクロガキの木目

 

柿の木も通常の樹木と同じで、成長段階に、様々な影響から、木目に歪みが出る事もあります。

たとえば、成長の途中で、力の掛かり方が変化をして、木目が、年輪状から歪むイメージです。

 

こうして出来た木目の変化を「杢(もく)」といいます。

 

また、杢のある木材を「杢材」と呼んで、希少価値の高い材として非常に高く取引されます。

クロガキの時点で、非常に貴重なのですが、クロガキに杢が入っているとその価値は跳ね上がります。

 

クロガキの波状杢や泡杢などの杢材ですと、通常のクロガキに比べて、数倍~数十倍の価格まで高まります。

もちろん、世界に一点しか存在しない天然物ですので、欲しい方がいれば、その価格は青天井となります。

しかし、それらの杢材とは、一線を画す杢が、クロガキには存在します。

その杢の名前を「孔雀杢」と言います。

玉状の杢の縁に、色素異常を更に起こして、緑色を呈した杢の表情です。

この孔雀杢(きじゃくもく)は、間違いなく最高級のクロガキとして、扱われます。

その価値は、想像を絶するほどの物で、価格を付ける事すら難しいレベルの希少価値となります。

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黒柿の経年変化を教えて?

 

クロガキは、製材をした後は、黄色~白色の肌目に墨汁を流したような黒色が差し込んでいます。

乾燥後のクロガキは、安定した色合いで固定されていますが、メンテナンスの方法によって、経年変化は大きく異なってきます。

たとえば、乾性油を使用したメンテナンスを継続した場合、多くは黄色っぽく染まる黄染(おうせん)が進んで行きます。

傾向としては、飴色(あめいろ)と呼ばれる、茶色に近い色へと経年変化していくことが多いと言えます。

ただし、黒い色素は、金属との結合によって安定しているので、油による黄染の影響はあまり受けません。

白い部分が、黄色や茶色の深い味わいを醸し出し、黒色が、溶け込んだような表情へと経年変化していくでしょう。

ここで、突然ですが、同じ銘木であり、黒い木である黒檀(こくたん)という木があります。

黒檀は、重厚でいろいろな用途に使われています。

この機会に是非、黒檀についての記事もご一緒にお読みください⇩

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銘木黒柿木材の値段って高いの?

 

そもそも、クロガキ自体の産出量が極端に低い事もあり、価格は、不安定と言えます。

 

品質によっても価格は異なりますし、クロガキの表情によっても大きく価格が異なります。

比較的多く加工品として出回る、中程度のクロガキであれば、30センチ板で、数万円~十万円程度で入手できる事もあります。

ただし、クロガキを収集される方の中には、製材をせずに断ち割った丸太のまま保存される方もいます。

クロガキの大きさにもよりますが、1メートルの半丸太で50万円~100万円くらいの価格で取引されることも多いようです。

 

加工された品物に関しての価格は、まさに、ピンキリです。

筆記用具などの小物ですら、1万円を超えてくるでしょう。

もう少し大きめの製品となると、50万円を超える物もザラにでてきます。

おそらく無いとは思いますが、仮に最高品質の孔雀杢クロガキが産出されたとしたら、数千万円を軽く超える価格で取引がされる事になるかと思われます。

黒柿って、すごいですね。

希少価値が高くて、なかなか欲しくても、手を出せない黒柿ですが、お箸にも利用されています。

そのほか、沢山の製品に使用されていますので、是非、この機会にご一緒に、そんなことが書かれている記事をお読みください~⇩

黒柿って、ただの柿の木では、なかったのですね。

価値の高さに驚きます。

さて、そもそも黒柿が、どんな木なのか。。

黒柿がどんなものに使われているか。

そんな記事もございます。

この機会に是非、ご一緒にお読みください~⇩

黒柿の色・杢・経年変化についてのまとめ

古くから、日本で銘木中の銘木として扱われてきた黒柿(クロガキ)です。

日本人の心には、クロガキ特有の“わびさび”を感じる表情が突き刺さったのでしょう。

その魅力を知れば、天井知らずの価格も頷けます。

数多くの人を魅了してきたクロガキの希少価値は、今後も留まることはないと思います。

まるで、墨汁を流したかのような、はかなげな美しさ。

クロガキは、まさに日本を代表する銘木なのです。

最後までお読みいただき、有難うございました。

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木材

Posted by MOhkubo