銀杏の木材ってどんな木?種類・特徴・使われる用途・経年変化を総まとめ
私たち日本人にとってイチョウの木は、とても身近な木だと思います。
秋の食卓に並ぶ馴染みの食材「ギンナン」といえば、イチョウの実です。
見た目を楽しむだけではなく、食べて楽しむ事も出来る樹木と言えるでしょう。
更に、その木材が利用出来るとなれば、これだけ植えられている事も納得です。
しかし、遺伝学的に見ると非常に珍しい木で、生きた化石とまで言われるほど、特徴的な木なのです。
また、世界的に見ると絶滅危惧種の扱いを受けていて、レッドリストに載るほど、保存の重要性がある木でもあります。
あまり意識をしていなかったイチョウですが、ここでは、その魅力に迫ってみましょう。
最後まで、お読みくださいね!
銀杏の木材ってどんな木?
イチョウは、大きい物になれば、約45mほどの高さにまで育つ、落葉高木樹です。
直径は、約5mになる物もある、比較的大きな部類の樹木のひとつと言えます。
日本では、街中のいたるところで見る事が出来るイチョウの葉ですが、あの広い葉っぱを持つにも関わらず広葉樹ではありません。
かと言って針葉樹というわけでもなく、誕生が非常に古い樹木なのです。
日本では、公園や神社仏閣などでよく植えられていますが、木材としても古くから利用されてきました。
- 碁盤
- 将棋盤
- まな板
などにも多く使われます。
水との重さを比べた数値である気乾比重は約0.55で、比較的扱いやすい木材といえるでしょう。
しかし、イチョウの板材が、そのまま店舗に並ぶ事は稀なのです。
銀杏の木って種類はあるの?
イチョウの木としては学名:Ginkgo bilobaの一種類しか知られていませんが、遺伝的な変異を経て、94品種があるとされています。
代表的な変種は、以下のような種類があります。
・キレハイチョウ
・フイリイチョウ
・オハツキイチョウ
・シダレイチョウ
・ラッパイチョウ
上に上げた物は、それぞれ葉の形状や、様子を示した名称となっているため、名前を見ただけでもパッとイメージが湧きやすいでしょう。
銀杏の木の特徴とは?
幅の広い葉っぱが特徴的なイチョウですが、広葉樹ではなく、どちらかといえば針葉樹に近い構造を持っています。
組織的にも針葉樹に近く、管構造も針葉樹に近いと言えるでしょう。
しかし、年輪がはっきりしていない点では、広葉樹のような特徴があります。
イチョウは、成長が早い木なので、木材伐採のサイクルが早い特徴があります。
木材の色は、黄白色、心材と辺材の色合いの差は見られません。
つるりとした肌が美しい木材で、歪みが出にくいので重宝されます。
加工は、しやすいのですが、耐久性はあまり高くありません。
銀杏の木材は、どんな用途に使われているの?
- 碁盤
- 将棋盤
- 将棋の駒
として利用される事が多い木材です。
しかし、将棋盤の最高級材として知られるカヤの木に比べると、音の響きがあまり良くないとされ、ランクは落ちてしまいます。
また、イチョウは、
- 建材
- 家具
- 彫刻
- まな板
- 水回りの製品
などに使われる事もあり、多目的に使用される木材と言って良いでしょう。
現在では、イチョウは、一枚板が非常に人気の高い木材で、特にテーブルや衝立として利用される事が多いようです。
- イチョウで作った一枚板テーブル
大きめのテーブルですと10~20万円程度の価格で取引もされています。
銀杏の木材の経年変化は?
加工、仕上げ直後には黄白色が目立ちます。
白く美しい木肌が特徴的なイチョウですが、経年変化の傾向としては艶やかな黄金色へと変化する事が多いでしょう。
メンテナンスは、一般的な木材と同じく、油を使用したメンテナンスが適しています。
ただし、イチョウは、仕上げにコーティングを施す事もありますので、ご使用の製品に適したメンテナンスを購入時に調べた方が良いと思います。
イチョウは、まな板材として有名ですが、まな板材として高級なのが、桂材の緋桂(ひかつら)と言われています。
緋桂(ひかつら)材って、どのような木材なのでしょうか。
ご一緒にお読みいただき、更に、知識を深めて、木材に愛着をもってください⇩
銀杏の木材についてのまとめ
イチョウを製材した板は、ホームセンターなどの店舗で見かける事は少ないかと思います。
しかし、歴史的に見ても、日本においては非常に馴染みの深い木である事に間違いはありません。
イチョウは、様々な用途で用いられている木ですので、もしかしたら、皆さんの身の回りにも、イチョウで出来た製品があるかもしれません。
イチョウの木材が、それほど一般的に浸透していない理由としては、スギやヒノキといった一般的な植樹木に比べると安定供給が難しいといった点が挙げられます。
決して、イチョウの木がそれらの木材に比べて悪いという事ではありません。
やはり、大量生産、安定供給という側面から、どうしても優先順位が低く見られがちという事かもしれません。
適材適所という言葉の通り、イチョウの木にも適している用途があります。
無理に他の材を用いる必要もなく、適している場所に適した木材があてがわれる事が重要なのですね。
最後までお読みいただきまして、有難うございました。
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