黒檀は仏壇や数珠の素材としても抜群!黒檀で作った仏壇・数珠などを調査!
お盆や新年に故郷へ帰った時、実家に帰ると、まずは、ご仏壇にご挨拶。
という方も多いのではないでしょうか。
私たち日本人の生活において、仏壇や仏具という物は、非常に、身近な存在だと思います。
いつも、お手入れが行き届いている真っ黒な仏壇、実は、あの黒い色は木の色だったのです。
ここでは、木の中でも最も黒い黒檀という木材と、仏壇や数珠についての話をしていきましょう。
黒檀ってどういう木材?
コクタン(黒檀、エボニー、Ebony)は、カキノキ科の木で、主に、温かい地域に生息しています。
インドやスリランカ、アフリカにまで広く分布している木材です。
非常に、堅い木で、古くから、家具や弦楽器などに、用いられてきました。
日本には、輸入木材として、海外から入ってきた歴史があります。
その黒い輝きは、珍重され、唐木三大銘木(シタン、コクタン、タガヤサン)の一つとして扱われています。
黒檀が素材として仏壇に使われる理由って?
仏壇と言っても、宗派によって、大きく分ける事が出来ます。
一般的に、真宗系は金仏壇、その他の宗派は、唐木仏壇を扱うと言われます。
金仏壇は、全体的に黒の漆塗(うるしぬり)が施されていて、内部には、金箔が張ってあります。
唐木仏壇は、黒檀や紫檀といった木材を使用し、木の持つ木目や色合いの美しさを前面に出している仏壇となります。
所説ありますが、金仏壇は、寺院のミニチュアとして、煌びやかな印象があります。
一方で、唐木仏壇は、日本古来の美意識「わび、さび」を具現化しているという表現がされる事もあります。
どちらが優れているという事ではなく、その宗派だけではなく、美意識の表現方法の違いにまで、話が繋がって行くとは、興味深いものです。
唐木とは、海外から、木材が輸入される時に唐の国、つまり、中国を経由してきた木材の事を指します。
様々な木材が輸入されてきたのですが、その中でも特に珍重された物が、唐木三大銘木として扱われた木材です。
唐木三大銘木は、紫檀(シタン)、黒檀(コクタン)、鉄刀木(タガヤサン)の三種類の木材の事で、そのどれも素晴らしい木材なのです。
その色味、堅牢さ、重厚さ、どれをとっても一級品の木材と言っても過言はないでしょう。
特に、仏壇などの仏具には、黒檀と紫檀が多く使われています。
黒檀は、その黒さが、仏具としての色合いとマッチしている事から、非常に人気の高い素材として認識されています。
黒檀ってどんな特徴があるの?
黒檀(こくたん)は、非常に重厚で堅い木材です。
比重もとても高く、一般的な木材に比べると、2倍~2.5倍ほどの重さになる事も珍しくありません。
しかし、堅いという事は密度が高く、成長が遅い事が特徴として挙げられます。
成長が非常に遅いために、伐採出来る量が少なくなるので、価格がどうしても高くなってしまうのです。
その価格もさることながら、色合いや重厚さを求めて、人気を集める木材です。
黒檀(こくたん)は、古くから様々な加工品に用いられてきました。
- 装飾具
- 細工用の素材
- 家具
- 仏壇
- 仏具
- 楽器材
など、幅広く、多くの製品に用いられています。
現在では、エボナイズ処理と言って、低品質の黒檀や別の木材に着色をして、高品質の黒檀であるように見せる技術があります。
主に、黒檀の代替品として用いられますが、価格の面でいえば、本物の黒檀に比べると相当お求めやすくなります。
黒檀が数珠にも選ばれる理由は?
そもそも数珠とは、何の意味があるのかについて考えてみましょう。
数珠は、もともとお坊さんや貴族に限られて使用されていたのですが、鎌倉時代になると、念仏を唱える事で、救いが得られるという教えが流行しました。
浄土宗などの教えが広まった事で、広く、一般の人々にも数珠が広まっていったと言われます。
時代が流れて、いつしか数珠は、数を記録する道具という側面から、スピリチュアルな側面が強くなってきます。
仏様の世界と現世とをつなぐ“不思議なアイテム”として認識されてきたのです。
そのような側面からも、数珠は、所持しているだけでも、仏様の加護が得られ、厄除けのお守りになるとも言われます。
また、仏教式の葬式や法要では、旅立つ故人へのマナーとして、数珠を持つ事が多いとされます。
そのようなアイテムとしての数珠ですが、様々な素材から作られます。
天然石や宝石、ガラス製品も人気がありますが、木製の数珠も非常に高い人気があります。
特に木製の数珠に使用される事が多い木材は、希少性の高い物に寄っている傾向があります。
数珠に多く使用される木材としては。。
- 紫檀(したん)
- 黒檀(こくたん)
- 屋久杉(やくすぎ)
- 白檀(びゃくだん)
などの銘木を使用した数珠が多く販売されています。
現代では、喪服の色合いが黒である事も多く、その色との兼ね合いから、黒檀の数珠を愛用している方が多いとされます。
黒檀のお手入れ方法とは?
木材は、メンテナンスを続けることによって、更に、味わいが深くなると言われます。
これは、黒檀に限った事ではなく、全ての木材に共通する事です。
ただし、製品として完成している物の場合には、どのような仕上げをしたかによって、メンテナンス方法も異なってきます。
ここでは、一例として、黒檀の仏壇について話を進めて行きましょう。
黒檀の仏壇の塗装方法は。。
- 鏡面塗装
- 薄塗塗装
- オイル仕上げ
などの方法を用いる事が多いようです。
日常のメンテナンスとしては、毛ハタキや、布で拭いて、ホコリを取り除きます。
細かく彫りこまれている部分などは、毛筆で撫でるなどの方法で、ホコリを除去しましょう。
ホコリは、溜まる事で、水分を吸収して、落ちにくい汚れになっていきますので、日々のホコリ取りが大切なメンテナンスとなります。
薄塗塗装や、オイル仕上げの場合には、水拭きをする事は良くないとされています。
黒檀は、堅くて、重いので、仏壇などの大きな家具には、とても適しているとは思いますが、非常に身近で、小さいものにも使われています。
そんな記事は、こちらです。
是非、いっしょにお読みください。
黒檀についての知識が増え、愛着もさらに増すことでしょう⇩
黒檀についてのまとめ
宗教的な側面の強い仏壇や、数珠といった仏具の類について話をしました。
しかし、宗派の違いによって、どのような仏壇を使うべきかという話に至る事はあまり無いとも聞きます。
ある程度の傾向やしきたりであって、厳格な定めがあるほどではないようです。
そのような話からしても、現代では、自らが、好きな素材の仏壇を選ぶ事は問題が無いと思います。
住宅や家の雰囲気に合った仏壇となれば、様々な選択肢が出てくるでしょう。
もし、仏壇などの仏具に、ご興味が出た際には、黒檀の魅力的な色合いと、重厚さを一度、その目で、その手で、確認してみてはいかがでしょうか。
最後まで、お読みいただき、有難うございました。
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