パロサント木材ってどんな木?種類・特徴・使われる家具を総まとめ

世界中には、数えきれないほどの木が存在します。

名もなき無名の木から、有名な木まで、それは、沢山の木が、私たちの生活を支えているのです。

そんな木の世界にも、木の種類を示す名前だけではなく、別名や仇名(あだな)を持つ木があります。

今回取り上げるパロサントもその一つです。

「聖なる木」の別名を持つ銘木です。

日本語の別名としては、「本緑檀(ぱろさんと)」という名前も持っています。

木材としては、非常に珍しい、緑色を呈する木材なのです。

その幻想的な緑色と、複雑に色が絡み合った木目は、まさに、聖なる木の名前に相応しい木材なのです。

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パロサント木材とはどんな木?

 

水との重さを比べた数値である気乾比重は約1.20~1.30です。

しばしば、「世界で2番目に重い木」として知られる木材です。

気乾比重が1.00を超える木材は、水の比重1.00を超えるので、水に沈みます。
こうした特性を持つ重い木を沈木(じんぼく)と呼ぶ事があります。

実際に、パロサント材を水に入れると、躊躇う(ためらう)事なく、水底まで一直線で沈んで行くのです。
その後、パロサント材は、木の内部に多く含まれる油分を、自らの表面に滲み出して、水へのバリアを張るという面白い特徴があります。

世界で2番目に重いという話をしましたが、では1番目は何か?と言うと、この説明の中で挙げるのであれば、リグナムバイタという木材になります。

もし、木材に強い興味をお持ちの方に同じ質問をすると、別の木材が挙がって来るかもしれません。

半化石なので、厳密には木材とは言えないのですが、もし、「デザートアイアンウッド」という名前を挙げてきた方がいたならば、木が相当好きな方と考えて良いでしょう。

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パロサント木材はどんな種類があるの?

実は、ここで挙げているパロサントという木材ですが、全く同名のパロサントという木材が存在します。

ここまで説明をしている本緑檀(ぱろさんと)の別名を持つパロサントはハマビシ科です。

リグナムバイタという木材も、ハマビシ科で、この2種類は遺伝子的にも非常に近い関係にあるのです。

別のパロサントという名前を持つ木ですが、こちらはカンラン科です。

全く異なる木なのですが、多くの方が混同しているだけではなく、扱っている業者の中でも良く分かっていない方が多い謎があります。

その理由は単純です。

貴重な木材の中には、お香の材料として扱う事がある「香木」という区分があるのですが、こともあろうに、この二種類のパロサント材は、どちらも香木なのです。

どちらのパロサント材も、お香香木として販売されていますが、一般的に、販売されている香木のパロサントは、カンラン科のパロサントです。

カラカン科のパロサント材は、白い辺材に火を着けたり、火にくべる使い方をするようです。

対して、ハマビシ科のパロサント材は、気乾比重が高い事と、耐久性が高い事から、木材そのままでは、火を着ける事が難しい木材です。

香木として利用する場合には、粉にしたり、精油を抽出する事になるでしょう。

※補足ですが、香道において「百楽香」の名を持つ香木は、ハマビシ科のパロサント材です。

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パロサント木材はどんな特徴があるの?

同じくハマビシ科のパロサント材は、近い種のリグナムバイタ(ユソウボク)と似た性質があります。
その特徴は、非常に重く、耐水性が極端に高い事です。

また、加工性が著しく悪く、刃物を滑らせる特性がある事から、工業製品に用いられる事もほとんどありません。

ハマビシ科のパロサント材は、木材としての利用方法は、非常に限定的で、耐水性を利用して、船のパーツや櫂(かい)などに用いられてきました。

櫂(かい)とは、木の長い棒で、パドルやオールのことを言います。

香木の世界では、世界中で珍重されています。

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パロサント木材はどんな家具に使われているの?

 

パロサント木材は、非常に重い木なので、家具に使われる事はほとんどありません。

油分が非常に多い木材で、刃先を滑らせる特性があります。

パロサント木材は、旋盤加工性も著しく悪く、木工旋盤ではなく、加工の際には金工旋盤が必要になるとされています。

ヤスリなどの工具でも、木工ヤスリでは刃が立たないので、金工ヤスリを使用する事になります。

最近では、パロサント木材の産出量も減っていて、その希少価値の高さから、人気が上がっている木材です。

そうした理由から、一部では、フローリングやウッドデッキに加工されるケースもあるようです。

ただし、価格が非常に高いために、ごく一部の愛好家の利用に限定されると思われます。

一般的には、香木としての価値、希少木としての価値から。。

  • 鑑賞対象
  • 小物

への加工がされています。

加工の悪さから、フローリングやウッドデッキなどに加工されることもあるパロサント木材ですが、香りとしては、非常にリラックス効果のある香りがあるようです。

リラックス効果のある木材といえば、「檜(ひのき)」ですね。

檜(ひのき)は、お風呂の蓋やいす、精油としても使われています。

色々なところに使われている檜(ひのき)ですが、檜(ひのき)の記事も読みたくなってきませんか?

パロサント材と同じように、香木としてゆかりのある檜(ひのき)についての記事がこちらです。

是非、パロサント材との違いも比較してみるのも面白いかもしれません。

檜(ひのき)の記事がこちらです⇩

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パロサント木材についてのまとめ

古くは宗教的な儀式の際に、人々が話を集中して聴ける状態にするため、パロサント木材を焚いたと言い伝えられています。

その神秘的な甘い香りは、心を落ち着かせて、広い視野で、物事を考える事が出来る状態にしてくれるような不思議なものです。

まさに、聖なる木が出す、聖なる香りと言えるでしょう。

その香りに幻想を抱く方が多いパロサント木材ですが、残念ながら市場に出回っている「パロサント」という商品には多くの紛い物が含まれています。

もしも、本物のパロサントに出会う事があったら、その緑色の神秘的な表情と、ぜひ、対峙してください。

まず一般的な材木店で、見る事が出来ない木材ですが、神秘的な力が働いたならば、もしかすると、出会えるかもしれません。

それこそが、聖なる木の導きですから。

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木材

Posted by MOhkubo