サイカチ木材ってどんな木?種類・特徴・使われている家具などを総まとめ

2021年9月24日

「綺麗な花にはトゲがある」という言葉があります。

多くの方は、バラの花をイメージするかと思いますが、実は、バラだからトゲがあるのではなく、トゲがあるからバラという名前が付いたと言われています。

確かに茨(イバラ)の道といったら、トゲトゲの険しい道という意味ですね。

日本でも、古くから、トゲのある植物という物は、身近だったと思います。

日本のどちらかといえば、暖かい地域に生息している木に、「サイカチ」という名前の木があります。

物資が乏しかった昔の日本では、生活に密着した非常に身近な存在だったのですが、最近では、特定の目的で使われる事も減ってきました。

戦時中に食器や衣服を洗う為に使った洗剤、「その材料として使われた木材」と言えばピンと来る方もいるかもしれません。

天然成分の人気が上がってきた今、サイカチ木材について、もう少し掘り下げていきましょう。

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サイカチ木材ってどんな木?産地など

サイカチ材は。。

  • 日本
  • 中国
  • 朝鮮半島

などで見られます。

マメ科・ジャケツイバラ亜科・サイカチ属に含まれる樹木です。

サイカチ木材は、日本の固有種で、本州の中部地方から、四国、九州に分布しています。

日当たりのよい山野や河原に生え、高さは、15mほどになります。

派手なトゲを持つ比較的大きめの樹木といえば、あれか!と思う方もいるかもしれませんね。

ジャケツイバラには、特徴的な湾曲したトゲがありますが、サイカチ材にも、非常に特徴的なトゲがあります。

 

樹木の表面に幾重にも枝分かれした、かつ、非常に鋭いトゲのかたまりが点在します。

サイカチ材の枝は、形を変えて、成長したトゲなのですが、トゲが枝で出来ていますので、トゲ自身も成長の過程で枝分かれしていくのです。

その結果、マキビシのような、あるいはウニのようなトゲのかたまりが出来るのですが、サイカチ材のトゲは、枝分かれしている事が通常のトゲとは異なる点です。

なぜ、トゲがあるかという理由については、外敵から身を守るためだとされています。

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サイカチ木材はどんな種類があるの?

 

アメリカサイカチ

アメリカ全土に生育しています。

日本のものと同様に、幹や枝に鋭いトゲがあります。

サンバースト

アメリカサイカチの変種であるトゲナシアメリカサイカチの一つであります。

 

サイカチ木材は、しばしば木材として流通しますが、その時の名前は「サイカチ」という名前になります。

サイカチ材は、別の名前で取引される事はほぼありません。

サイカチ材を購入、ご使用されたい場合には、サイカチの名前で探すと良いでしょう。

サイカチ木材のマメ莢(さや)から、天然石鹸が作れること、サイカチ木材のトゲが漢方薬として用いられることから、その流れで木材が得られます。

 

しかし、使用量は、それほど多くないために、木材としてのサイカチ材は、知名度も低く、一般的な流通量は非常に少ない木材となります。

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サイカチ木材はどんな特徴があるの?

サイカチ材は、水との重さを比べた数値である気乾比重は約0.5~0.55で、木材の肌目は比較的粗いです。

 

サイカチ材の重さは、木材としては平均的ですが、同じくらいの重さである他の木材と比べた場合は、若干ですが、堅い傾向にあります。

辺材はクリーム色、心材は赤褐色の材が多く、丁寧に磨く事で美しいピンク系の輝きが出てきます。

サイカチ材は、刃物に対する抵抗性もそれほどなく、加工性に優れているため、古くから彫刻材としても使われます。

また、赤系の心材を持つ木材は愛好家も多く、小物に加工されたり、細工材として用いられる事もあります。

ただし、あまり流通しない事もあり、サイカチ材を見つける事は難しい💦と言えるでしょう。

小物や細工材というと竹細工を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。

竹細工は、岩手、群馬、埼玉、神奈川、静岡などで、体験もできるようですよ。

そんな竹細工についての記事もございます。

この機会に、是非、ご一緒にお読みください⇩

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サイカチ材はどんな家具に使われているの?

サイカチ材は、トゲが危険なので、使用目的から考えても、人間が、植林をして増やすような樹木ではありませんでした。

洗剤や生薬として用いるには自生しているサイカチ材から、十分確保できますし、街路樹としてもトゲの危険性からほとんど植えられていません。

危険性などから除去目的で伐採される事があり、その倒されたサイカチ材から木材として流通する事があります。

 

非常に細い流通経路ですので、現在では仕入れをする事も非常に難しい木材のひとつです。

木材として評価する際には、その加工性の良さや赤褐色の色味から人気が高いことも頷けます。

サイカチ材の比重も、木材の中では、安定して使いやすいので、古くから色々な家具材としても使われてきたようです。

しかし、伐採に掛かる費用などを加味した場合に、サイカチ材単独で考えた場合には、価格帯が低く、あえて、商業的に流通量を上げようとする動きは見られないようです。

 

その理由から、サイカチ材の赤褐色が気に入って家具を作る場合には、家具工房に木材を持ち込むか、もしくは、サイカチ材を扱っている材木商や工房を探す事になると思います。

サイカチ材は、一枚板として流通する大きさはありますが、それほど大きくなる前に伐採する傾向があるようで、なかなか大きな用途に用いる事は難しいかもしれません。

家具として考えると。。

  • 椅子
  • テーブル

といった大きさの家具が適しているでしょう。

タンスやキャビネットなどの大型家具を作るには、サイズによっては、板の大きさが足りないかもしれません。

ただし、あまり一般的ではありませんが、大きなサイカチ材を扱っている業者や工房があれば、それらの大型家具も作る事は可能です。

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サイカチ木材についてのまとめ

日本では、古くから生活に密着した木として馴染みのあったサイカチ木材です。

特徴的なトゲトゲした幹の表情から、嫌われ者というイメージも強かったそうです。

しかし、そのトゲには悪霊や邪気を払う力があるとされ、サイカチ材のトゲを玄関に飾る風習が残っていた地域もあるようです。

天然成分から採れる“天然洗剤”としての人気が一部で上昇してきています。

生薬としての流通量も減ってきており、これからは洗剤としての流通量が増えてくるかもしれません。

サイカチ材は、日本には馴染みのある樹木のひとつです。

トゲは、鋭く危険ですが、それでも大切な自然の一員として大事にしていきたいですね。

最後までお読みいただきまして、有難うございました。

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木材

Posted by MOhkubo