色々な用途に使われる黒柿の魅力に迫る!
黒い木材といえば、「コクタン」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、日本で黒い木といえば、間違いなく「クロガキ」が一番人気でしょう。
秋の味覚、カキの実が成る柿の木です。
その、カキノキが大きく成長して、土壌の成分などと反応して、色素異常を起こす事がごく稀にあります。
外見からは、見分けが付かないのですが、伐採をしてみるとカキノキの内部が黒く染まっている事があるのです。
その黒く染まったカキノキの事をクロガキと呼んで、非常に珍重される銘木中の銘木として扱われます。
銘木黒柿ってどんな魅力があるの?
木材が輸入される以前の日本には、黒色といえる木材はなかったと言われます。
さまざまな木材が多くの用途に使われ、私たちの生活は、木材と共に発展していったと言っても過言ではないでしょう。
色々な目的で使われてきた木材ですが、生活の中に入り込むにつれて、その色合いや表情にも、重きが置かれるようになっていきます。
その時に人々が出会った、見た事もない黒い木材は衝撃的だったと思います。
まさに、日本人の持つ「和の心」を掴んで離さなかったのでしょう。
ただ、フラットに黒色が目立つ木材ではなく、全てが、一点物らしい独特の表情を持つのが、クロガキの特徴です。
これは、まさしく、自然が描いたアート作品ともいえる木材の世界なのです。
黒柿の丸太にはどんな特徴があるの?
クロガキは、柿の木(カキノキ)の内部に、色素異常を来たした物ですので、丸太を外側から見ても判別は付きません。
もちろん、断面図に、黒い色素が集まっているので、伐採時には分かります。
しかし、クロガキかどうかが分かったとしても、どの程度の品質かは断ち割ってみて初めて分かるものです。
丸太を縦に割って、その表情や杢(もく)の入り方で、価値が大きく異なってきます。
柿の木の半丸太で、収集される方もいるのですが、ご家族がゴミと勘違いをして捨ててしまう事件をしばしば耳にします💦
もったいないことですね。
そんな、黒柿もいろいろなところで、利用されています。
そんな黒柿についての記事がこちらにもあります。
是非、ご一緒にお読みください~⇩
黒柿はどのように乾燥させるの?
黒柿(クロガキ)は、柿の木と全く同一種ですので、伐採後の乾燥に関しても、柿の木と同じ方法を取られる事がほとんどです。
しかし、クロガキの場合には黒色を呈する色素の関係で、乾燥後、は俗に言うカキシブが硬化するために安定した材となります。
また、乾燥した後は、油分が多い事もあり、布などで乾拭きするだけでも美しい艶が出てきます。
黒柿で作った万年筆の書き味は?
近年では、パソコンやスマートフォンなどの電子機器が普及した事により、紙に、ペンで、筆記するという習慣がめっきり減ってきてしまいました。
だからこそ“ここぞ!”という時に持ち味を発揮するのが手書きの強みとも言えます。
重要な契約や、営業先でのメモ書きなど、ここぞの場面で取り出した万年筆がクロガキ製だとしたら。
もしも、相手が木材に興味を持っている方ならば、まず、間違いなくクロガキの話題で話が広がるでしょう。
お客様との会話も盛り上がったならば、もしかすると、いつもよりも堂々とした文字としてサインが残せるかもしれませんね。
黒柿で作ったシャーペンの使い心地は?
シャープペンシルとして、クロガキを用いる事はあまりないのですが、これには一つだけ理由があります。
万年筆とは異なって、シャープペンシルは、日常で使う事が多い製品となります。
例えば、学校やただのメモ書きなど、日常の何気ないシチュエーションで、シャープペンシルは、用いられることが多いでしょう。
つまり、クロガキが最も目立つであろう、懐から取り出す場面があまりないのです。
もちろん、使用方法によっては、クロガキの魅力をふんだんに出す事は出来るでしょう。
黒柿の価格って高いの?
「亡くなったお爺さんが木材を集めていて、なんだか黒っぽい木があった。」
などの場面では、いったんその木材を捨てる前に、確認する事をお勧めします。
クロガキの時点で、非常に価格は高いのですが、クロガキの価値が更に高まるのは杢が入った時です。
成長段階で、何らかの要因で、木目が異常を起こした物を、杢材(もくざい)と呼ぶのですが、クロガキの木材ともなると桁が跳ね上がるほどに高くなります。
その中でも、最上級なクロガキは、間違いなく孔雀杢(くじゃくもく)のクロガキです。
そもそも、孔雀杢のクロガキを現物として見る事はそうそうありません。
一般の店舗で、木材として販売される事もまずありません。
それほど、希少価値の高い木材ですので、金額もとんでもない価格がつきます。
ただし、品質が悪い物は、それほど価格が付かないなどの傾向もありますので、価格に関してはピンキリという他ありません。
さて、まとめになりますが、その前に同じように黒い木といえば、「黒檀(こくたん)」があります。
輸入材としては、有名です。
非常に重く、硬い木で、家具でも大きなものに使われています。
黒柿も黒檀希少価値が高いです。
ここで是非、同じ黒い木の「黒檀」についての記事もご一緒にお読みください~⇩
色々な用途に使われる黒柿のまとめ
日本では。。
- 和箪笥
- 茶道具
- 指物
- 小道具
等、ありとあらゆる製品へと、用いられるクロガキです。
しかし、産出量が極端に少なく、その美しさと希少性からも、クロガキは、価値が非常に高い木材となります。
日本における床柱などのランクとしては、シタンやコクタンを上回る価値で、取引される木材です。
私たち日本人にとって、まさに特別な木と言えます。
もしも、どこかで、クロガキの製品と出会う事があったなら、その黒と白のコントラストに魅了される事でしょう。