クラロウォルナットってどんな木?種類・特徴・用途などを徹底調査!
木材の中には、希少価値が高く、珍重される物がたくさんあります。
その理由は。。
- 産出量が少ない事
- 色合いが派手な事
- 木目が美しい事
など様々です。
その中でも、“杢(もく)”と呼ばれる、木目の模様は、非常に高い人気を誇るジャンルとなります。
杢は、様々な影響から、成長段階で綺麗に育つ事が出来なくなった物と考えると分かり易いかもしれません。
たとえば、幼木の頃に虫に喰われてしまって、その穴を樹脂で修復した物が成長をすれば、その木材も杢として扱われます。
その他にも、枝分かれや、力の入り方によって、木目がグチャグチャになってしまう物もあります。
本来ならば、綺麗に育たなかった物ですから、価値が下がりそうなものです。
ですが、それらの木目は、まさに、この世に一点物、似た物すら存在しないほどの独自性を持っているのです。
そのために、木材の世界では、杢が出ている材を珍重し、とても高価な物としています。
ここでは、瘤杢(こぶもく)という杢材が産出されやすいクラロウォルナットについて話を進めていきます。
クラロウォルナットってどんな木?
ウォルナットは、日本語に直すと「クルミ」という名前になります。
この樹木も、クルミ科の落葉広葉樹で、クルミの実も成る樹木です。
しかし、この名前を冠している樹木は特徴があります。
北米産のウォルナットに、欧州産のウォルナットを接ぎ木した種類なのです。
その種類のことを「クラロウォルナット」と呼びます。
別名としては。。
- カリフォルニアウォルナット
- ヒンズウォルナット
という呼び方もあります。
クラロウォルナットは、成長段階で、幹に大きな瘤(こぶ)を作って、その瘤(こぶ)が製材された時に瘤杢(こぶもく)として現れます。
- クラロウォールナットの瘤杢
- カエデや紅葉の瘤杢
瘤杢のできた木材の多くは、薄く切られて突板として、利用されます。
また、波状杢(はじょうもく)や泡杢(あわもく)といった非常に美しい杢が出る事もあり、杢材としての評価が非常に高い材です。
- 波状杢(はじょうもく)⇒木目が波状に縮んで、しわが寄ったように見える杢。
- 泡杢(あわもく)⇒小さな円形の模様が、散らばって現れるもの。
水中に浮き上がってくる水泡に、よく似ていることから「泡杢」と呼ばれている。
クラロウォールナットは、クルミ科の樹木で、数ある木材の中でも、高級で希少な素材と言われています。
樹高は、高くなく、幹があまり大きくならないのが特徴です!
クラロウォールナットは、大木には育たず、成長も遅く、幹が1mに育つまでに、150年もかかるといわれています。
クラロウォールナットってどんな種類があるの?
同じ属の樹木に、ブラックウォールナットという木がありますが、見分けるのは非常に困難です。
産出される地域に差があるのですが、実際に、クラロウォールナットという商品名で、ブラックウォールナットが販売されている事もあります。
クルミの樹木は、日本にもあり、その果実は、栄養価の高い食材として知られていますので、食べられたことがある方も多いと思います。
これら食用として使われているクルミの樹種は、「テウチグルミ(手打胡桃)」(学名:Juglans regia var. orientis)が多いです。
しかし、長野県を中心に植栽され、新潟、山形、秋田、岩手のいろいろな県にも、その分布を見ることができ、その実が販売されています。
そんな、そもそもの「ウォールナット材」についての記事もございます。
クラロウォールナットとの違いなど、おもしろいかもしれません。
ぜひ、この機会にご一緒に、お読みください。
木材に対しての愛着がさらに増すことでしょう⇩
クラロウォルナットってどんな特徴があるの?
水との重さを比べた数値である気乾比重は、約0.62で、木材の重さとしては中くらいです。
しかし、瘤杢の場合には、瘤の堅さも含めて、かなり強靭な木材として扱われる事があります。
辺材は乳白色~黄褐色の明るい色ですが、心材はチョコレートブラウンや濃い赤褐色で、強いコントラストを持った木材となります。
加工性が悪く、乾燥にも技術を要する木材です。
しかし、クラロウォールナット木材の表情は、荒々しく、力強い魅力にあふれているといえるでしょう。
クラロウォールナットってどんな用途に使われているの?
装飾的な価値が非常に高く、特に瘤杢を突板(つきいた)にして使用される製品は珍重されます。
用途としては。。
- 高級車のダッシュボード
- 高級ギターのボディ
- 高級家具材
として、用いられることが多いです。
キャビネットなどの家具に加工された製品は、非常に高価で取引され、まさに高級材の名に相応しい木材でしょう。
色合いが暗めな事と、表情が派手である事から男性が好む銘木として知られます。
もちろん女性にも人気はあるのですが、ダンディな男性が好みそうな表情をしていると言われる木材です。
そのため、男性が使用する道具類や、小物類にも多く、加工される傾向にあります。
どちらかというと、女性が身に付けるアクセサリーなどへの加工は、少ないかと思われます。
クラロウォールナットと同じように「瘤杢(こぶもく)」が、特徴的な木材に「楠(くすのき)材」があります。
楠(くすのき)材についての記事もございますので、是非、この機会にご一緒に、お読みください~⇩
クラロウォルナットについてのまとめ
車が好きな方であれば、高級車のダッシュボードやギアレバーなどにゴツゴツとした表情の木材があしらわれているイメージが付くでしょうか。
綺麗に磨かれてコーティングをされ、その中から魅せる表情は野性味に溢れています。
色合いも落ち着いていて、高級車に使われる木材といえばクラロウォルナットが真っ先に挙げられる事もあります。
もちろん筆記用具などに加工される事もありますし、他にも様々な物に加工されています。
中年男性が憧れる木の表情はクラロウォルナットにあるかもしれません。
ゴツゴツとした表情が荒々しければ、荒々しいほどに価値が上がる木材です。
皆さまの気に入る表情のクラロウォルナットと出会う事が出来れば、それはきっと一生の宝物になるでしょう。