ローズウッド木材とは?特徴・色・家具・ワシントン条約までを総まとめ
高級なギターや美しい装飾品……木で作られる製品の中でも、特に高級品に使用される事が多い木材があります。
木の中でも多くの人が興味を持ち、そして求めてきた木材、それがローズウッドです。
銘木と呼ばれる木材はたくさんありますが、その中でもローズウッドと呼ばれる木材に注目してみましょう。
ローズウッド材とはどんな木?
ローズウッドという名前、実は、ローズウッドという名前の木がある訳ではありません。
もちろん、ローズウッドの名前を冠している木もあるのですが、ローズウッドは、一つのジャンル名と考えると分かり易いでしょう。
では、どのような木材がローズウッドと呼ばれるのでしょうか。
この定義に当てはまる木材が、ローズウッドで、それ以外の木材はローズウッドではありません。
しかし、商業的な名称で、マメ科の別の木材がローズウッドと冠されている場合もあります。
ローズウッドの名前は、それほどまでに人気が高い木材という証拠なのでしょう。
ローズウッド材ってどんな種類があるの?
ローズウッドに含まれる全ての木材を挙げる事は難しいです。
ですので、代表的なローズウッド材を記載します。
主に、日本国内で取引される事の多い名称で挙げていきます。
・ブラジリアンローズウッド
・ホンジュラスローズウッド
・キングウッド
・チューリップウッド
・アフリカンブラックウッド
・シタン
・チンチャン
・ココボロ
……などです。
ローズウッドっという名前の木材があるわけではないので、難しいですが、他にもローズウッド木材についての記事がございますので、是非、一緒にお読みいただいて、ローズウッドについての知識を深めていただければと思います⇩
ローズウッド材ってどんな特徴があるの?(木目・色・香りなど)
マメ科・ツルサイカチ属の木材と括っても、その種類や生息地は多岐に渡ります。
木目が特徴的なローズウッドもあれば、色が特徴的なローズウッドもあります。
ローズウッドは、切った時に芳香が立つのですが、その香りも種類によって大きく異なります。
一般的な感覚としては、甘い香りがします。
木目については、キングウッドであれば、全体的に紫色を呈していて、薄い紫色と濃い紫色の木目が特徴的な木材です。
チューリップウッドは、ピンクからオレンジ地に茶色の木目が特徴的です。
アフリカンブラックウッドの場合には、木目がほぼ見えないほどに全体が黒で覆われています。
アフリカンブラックウッドは、黒檀(こくたん)よりも更に黒く、まさに漆黒(しっこく)という表現が適しているかもしれません。
このように、木材にはそれぞれに大きな特徴と違いがあります。
ローズウッドは、主にどんな用途に使われているの?
ローズウッド材は、全体的に成長が著しく遅く、あまり大きな板を採る事が難しいとされます。
様々な加工品に使用され、使われて来た歴史がありますが、産出量が少ない事もあって、用途はかなり限定されています。
現在では、その希少価値から、家具材として求めたとしても、一般流通で、手に入れることは出来ないでしょう。
特定のオーダーメイドで、作成する事は出来ると思われますが、予算で言えば、最低でも1000万円以上はみた方が良いかと思います。
ブラジリアンローズウッドやココボロなどは、木目や色彩の人気が高いだけではなく、音の響きが良いとされます。
ですので、現在では、最高級のギター材として扱われる事があります。
特に、ブラジリアンローズウッドは、ハカランダとも呼ばれ、ハカランダのギターといえば、多くの方が憧れる最高級ギターの一つです。
シタンやチンチャンは、日本でも馴染みのあるローズウッドで、主に、仏具に利用されてきました。
仏壇や経机の最高級木材として扱われるだけでなく、箸材や印鑑材などにも多く用いられます。
ローズウッド材は、比較的、小ぶりな製品に用いられる事が多く、柱や屋根といった建築材に用いられる事はありません。
ごく稀に、フローリングやウッドデッキに使用される事はありますが、価格が高くなりすぎる為に一般的とは言えないでしょう。
ワシントン条約によるローズウッドへの影響は?
ワシントン条約とは簡潔に言うと、「希少生物の取引に関する国際的なルール」になります。
生物が対象ですので、例えば絶滅寸前のカメや珍しいワニといった動物も含まれます。
特定のサボテンや花、生薬成分を含んだ草などの植物も含まれます。
そのルールの中に「マメ科・ツルサイカチ属の全種類」が含まれているので、ローズウッドは、その全てがワシントン条約で規制を受けるという事になるのです。
ワシントン条約で規制を受ける物は、特別な許可が無い限り、国と国との移動が制限を受けます。
つまり、輸入、輸出が厳しい制限を受ける事になりますので、ローズウッドは、今後更に、希少価値が上がって行きます。
また、ローズウッドは、その加工品もワシントン条約による規制を受けます。
伐採した丸太や板はもちろんの事、例えば、ナイフの柄や万年筆といった加工品も規制対象なのです。
密かに、流通している事は否定しませんが、厳密にいえば、加工品の全ては規制されます。
実際に、税関で、ローズウッドの製品が没収されるという事もしばしばあります。
ローズウッドについてのまとめ
非常に、特徴的な美しさ、希少性、材としての安定性、どれをとっても素晴らしい木材といえるローズウッドです。
しかし、多くの人を魅了するローズウッドは、その価値もまさに桁違いに高く、違法伐採や違法流通が絶えません。
反社会的勢力の資金源になるほどまでに、商業的な価格の高い木材です。
多くの販売業者や加工業者が、その価値にも魅力を感じていると言って良いでしょう。
希少価値が高く、貴重な木材だからこそ、私たちが全て伐採して絶滅させるような事があってはいけないのです。
その価値を知ると共に、環境保護の視点も得る事が出来たならば、きっとローズウッドの魅力を、更に、知る事が出来るのではないでしょうか。
最後まで、お読みいただきまして、有難うございました。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません