杉ってどんな木?特徴・種類・使われる家具・経年変化など総まとめ!
すーっと伸びた大きな木。
三角すいのように先端が細くなっているスギの木。
多くの方が、木としてイメージするそのものが、スギかもしれません。
春前になると涙がポロポロ、くしゃみと鼻水で辛い症状が出る方にとっては、スギは花粉症のイメージがあるかもしれません。
しかし、スギは、木材の万能選手ともいえるほどに、色々な製品に使用されているのです。
この記事では、木材としてのスギの顔を少し、覗いてみましょう。
スギってどんな木?
スギは、ヒノキ科・スギ亜科・スギ属の木で、日本各地に広く分布する常緑針葉樹です。
スギは、木材として、日本では、古くから多く使われる木の一つです。
- 建築材
- 家具材
- 床材
- 小物
にまで広く使用されています。
日本全国で、植林もされているので、スギは、木材としては、非常に一般的なものです。
スギってどんな特徴があるの?
スギは、まっすぐに、細長く育ちますが、環境などの条件が整えば非常に大きく育つ木で、中には50メートルを超える事もあります。
大きく育つという事は、大きな板や角材も作りやすいと言えるでしょう。
スギは、成長した幹の樹皮は、比較的、剥がしやすく、その性質を利用して、「皮むき間伐」という手法をとる事があります。
スギやヒノキで埋め尽くされ、生態系が崩れてしまった森林を、再生させる目的でも利用される間伐方法で、その手軽さや安全性の高さから注目されています。
スギという名前は、「まっすぐの木」から「すぐ木」「直木」「スギ」と変化したという説が有力ですが、横へは成長せず、上に向かって進む木なので、「進木」「すすぎ」「スギ」へと変化したという説もあります。
建築材としても家具材としても、その加工のしやすさから重宝されます。
しかし、乾燥させる際に割れてしまう事があるので、注意が必要です。
その繊維の方向に沿って割れやすい特徴を活かして、角材や板材だけでなく、薄い材を採る事にも利用されます。
薄く削り取ったスギ材は、曲げわっぱと呼ばれる伝統工芸品にも用いられます。
スギ材を加工したときの見た目は、木目がはっきりとしていて、色は白みがかっています。
節の中に年輪が無い事も特徴的です。
スギ材は、日本で、建築材として用いられる木材の中では、やわらかい方ですが、その分軽く様々な用途に使えます。
スギは、品質のバラつきが大きい木材です。
この事から、特定のブランド(屋久杉や吉野杉など)の場合には、その希少性から高価で取引される事があります。
スギの価格は、品質やブランド、販売ルートにも左右されるため、あまり定まっておりません。
ただし、一般的なスギですと、原木1本、約数千円という相場で取引されているようです。
販売する際に、木材全体を見せてもらえる場合は価格をつけやすいのですが、物によっては、切り口のみを見て買う事もあるため、木材を選ぶ職人などには目利きが求められます。
スギ材ってどんな種類があるの?産地など
スギは、地名などを冠したブランドも重要視されます。
日本全国のブランド杉には。。
- 天然秋田杉
- 屋久杉
- 立山杉
- 越後杉
- 吉野杉
- 北山杉
- 飫肥杉
などがあり、その歴史も様々です。
スギは、人工のスギ林を含めれば、沖縄以外の日本全国どこでも見かけることができます。
他にも、中国産の柳杉など、輸入材も多く使用されます。
スギ材はどんな家具に使われているの?
スギ材は、様々な用途に用いられますが、集成材と呼ばれる小さい板材を加工しての利用も多く、
- テーブル
- 椅子
- タンス
など、生活に密着した家具材として使われる事が多いです。
スギ材は、他の木と比べて入手がしやすく、価格も安定しています。
集成材であれば、薄く小さな材でも、活用する事が出来るため、
- テーブルの天板
- タンス
などへの加工がしやすいのです。
近年では、家具だけでなく、楽器材などに利用される事もありますが、あまり一般的とは言えないでしょう。
スギ材の経年変化を教えて?
天然の木材は、経年変化といって、時間の経過とともに、表情が変化していきます。
削りたてのスギ材は、白っぽい茶色と表現される事がありますが、経年変化によって、スギ材は、赤茶色のように茶色系の色合いが濃くなる傾向にあります。
もちろん、木材の使用方法やメンテナンスの種類、回数によっても時間が経つ事による色合いの変化には違いが出てきます。
スギ材には、どんなメリットがあるの?
スギ材は、広く育成されている事から、価格的にも一般的な材料として使いやすいと言えます。
また、木材としては、比較的柔らかく、加工がしやすい事もメリットになります。
古くから建築材や家具だけではなく、曲物などの加工品にも使用されています。
スギ材は、調湿機能が高く、人が過ごしやすい環境づくりに働きかけてくれます。
木は、息をするように、水分を吸ったり、放出したりしているのです。
また、塗装や表面を焼いたりと加工する事により、耐水性や耐久性を上げられる事も魅力です。
スギ材に限らず、木材は、住宅に用いられた場合の断熱性能も高く、気候による生活空間の気温変化を小さく抑えられます。
これは、木材が細胞の集合体であり、その細胞の中に動かない空気があるために得られるメリットです。
スギ材は、害虫にも強く、その性質はヒノキと同列に語られます。
スギ材には、どんなデメリットがあるの?
スギ材は、水分を多く含むため、湿度による影響が大きいとされます。
実際に、建築材として用いた場合に、乾燥させた時期によっては、梅雨時に隙間が発生する事もあります。
これは、職人の経験による差が出るところでもあります。
必ずしも、寸法に狂いが生じるという訳ではありませんのでご安心ください。
スギ材を、無垢材として使用した場合にもデメリットが出てきます。
無垢材の特性上、どうしても傷がつきやすいのです。
そして、合板などの材と比べると、無垢材はややコストが掛かります。
メンテナンスに関しても、塗装の有無や種類により方法が違います。
共通して言える事は、木ならではの性質を考えたメンテナンスです。
湿度が高い梅雨時などは、定期的に風通しの良い場所へ移動させたり、湿気がたまらないように、家具の下にはすのこを置くなどして、うまく湿気を逃がしてあげましょう。
スギ材の家具を購入する際には、塗装の種類やお手入れ方法などについてあらかじめ聞いておくと良いでしょう。
ここで、国産杉については、色々とわかってきたことと思います。
国産杉に似ていて、アメリカ杉(米杉)というのがあります。
米杉についても知りたくありませんか?
実は、米杉についての記事もございますので、是非、ご一緒にお読みください。
更に木材に愛着が湧いてきますよ~⇩
スギ材についてのまとめ
私たちの身の回りにある木の製品には、日ごろはあまり気に留めないかもしれません。
でも実は、スギ材でできているものも多いはずです。
それほど古くから、一般的に用いられてきたスギ材なのです。
身の回りにある木の製品は、普段は、気に留めない製品であっても、大地に根を張っていた姿をイメージしてみると、また新しい見え方が生まれてくるかもしれません。
最後まで、お読みいただき、有難うございました。
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