黒檀てどんな木?種類・特徴・使われる家具・色の変化などを総まとめ

2022年9月12日

木材は、古くから人間にとって多く利用されてきた素材です。

建造物や家具など、さまざまな利用方法のある“木材”ですが、人々は更に多くの利用目的を見出すために、世界中の樹木を探索しました。

そうして、樹木が次々と発見され、新しい使用方法も見つけられてきました。

色々な樹木がある中で、生息数が少なかったり、希少価値が高い木がある事も分かってきています。

そうした珍しい木は、人々の興味をそそり、好奇心の対象となってきました。

更に、それらを収集する人も出てくれば、身の回りを珍しい木で飾る人も現れます。

多くの人を魅了する珍しい木、希少価値の高い木の事を総称して“銘木”と呼びます。

 

木材といえば、一般的には、白色や黄色、茶色といったイメージがあると思います。

しかし、黒い木を、初めて見た方は、さぞや驚いた事でしょう。

日本で、黒い木といえばクロガキが、古くから珍重されていました。

輸入される木材の中で、代表的な黒い木といえば、黒檀(コクタン)です。

心の奥にまで入り込むような、黒い木の魅力、黒檀(コクタン)の話をして行きましょう。

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黒檀(こくたん)ってどんな木?産地など

黒檀(こくたん)は、その漢字が示すとおり、黒い木という意味です。

カキノキ科の樹木で、英語ではebony(エボニー)と言います。

木材として表記する場合には、コクタンとカタカナで書く事が多いでしょう。

南アジアからアフリカにかけて、生息する樹木で、産地によっても色合いなどが若干異なってきます。

樹木としては、20~30メートル程度まで成長するのですが、発育が、とても、遅い木です。

黒檀は、比重がかなり高い木材で、つまり、ぎっしりと詰まっている木になりますので、成長が遅い事は仕方の無い事と言えるでしょう。

中国を通って輸入された木を、唐木(からき)と呼んだ歴史があるのですが、日本では、黒檀は、三大唐木として珍重された木材の一つです。

  • シタン
  • コクタン
  • タガヤサン

の3種を三大唐木と呼びます。

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黒檀(こくたん)には、どんな種類があるの?

分類学的には、4種類あるのですが、材木店や銘木店などで取引されるコクタンは、以下の分類が多いかもしれません。

 

  • シマコクタン(縞黒檀)

チョコレートブラウンと黒の織りなすマーブルが美しいコクタン。

  • コクタン(本黒檀)

シマコクタンよりも黒が強調される事の多いコクタン。

 

  • マグロ(真黒)

茶色が入っておらず、真っ黒なコクタン。

 

  • アオコクタン(青黒檀)

乾燥前に緑色を若干呈する事から名前が付くコクタン、産地の限定がある。

  • アフリカコクタン

アフリカで産出されるコクタン、アフリカンブラックウッドとは別物。

 

  • 塗りコクタン(塗黒檀)

低品質のコクタンや、別の木材にインクなどを流して黒く染めた物。いわゆる紛い物。

といった商品名で、取引はされますが、実際のところは、アオコクタン、アフリカコクタンを一般のお店で見る事は無いと思います。

アオコクタンやアフリカコクタンは、本当に特殊な木材や、超高級な木材を専門に扱う店舗ですら、なかなかお目にかかる事の出来ない代物といえるでしょう。

マグロというコクタンの商品名があるのですが、この定義もあいまいな部分があります。

黒檀(コクタン)の中で、超高品質で、茶色のマーブルが一切、見られない物を、マグロと呼ぶ事もありますし、アフリカ産のコクタンをマグロと呼ぶ事もあります。

これは、扱う業者や店舗によって異なります。

商品名に厳密な定義があるとも限らない事が、木材の難しい所と言えるでしょう。

塗りコクタンは、エボナイズされた木と称するのですが、悪質な業者の場合には、塗りコクタンを本黒檀と銘打って、販売する事も珍しくありません。

近年のエボナイズは、非常に精度が高く、外見や堅さなど本物と見分けが付かない事もしばしばです。

実際に削るなどの加工をした際、ほのかに香るコクタンの芳香で、判別をする方法などはありますが、お勧めは出来ません。

やはり、信頼のおける店舗や、業者などから、購入する事が最も確実ではないでしょうか。

黒檀(コクタン)は、唐木三大銘木として、有名ですが、他に鉄刀木(タガヤサン)という木材があります。

「鉄の刀のように硬い木」ということから、名前がついたようですが、鉄刀木(タガヤサン)についての記事もございます。

是非、ご一緒にお読みになり、唐木三大銘木についても詳しくなり、もっともっと木材について愛着を持ってくださいませ~⇩

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黒檀には、どんな特徴があるの?

黒檀(コクタン)は、気乾比重0.85~1.09で、木材としては非常に重い木の部類になります。

また、一般的な「木材」という区分けで言えば、非常に堅く、また加工性に重大な難のある木材として認識されていると思います。

 

加工の熟練は、必要となりますが、実際には、ナイフで切る事もそれほど難しく無い木です。

加工性に重大な難があるとは言われますが、例えば、フェルナンブーコ(ブラジルボク)やアフリカンブラックウッド、スネークウッドなどの木と比べた場合には加工がしやすいと思います。

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黒檀で作られている家具ってどんなのがあるの?

 

  • 黒檀テーブル

 

  • 黒檀の花台

 

黒檀(コクタン)に限らず、気乾比重が1.0を超えてくるような重い木を家具に使用する場合には、その大きさが問題となってきます。

単純な比較は出来ませんが、例えば、大きなテーブルをスプルース(気乾比重0.4)で作ったとしましょう。

同じ大きさのテーブルを黒檀(コクタン)気乾比重1.0で作った場合に、その重量は2.5倍になります。

黒檀(コクタン)は、比較的大きな板が採れる樹木なのですが、あまりに大きな家具を作った時には、場合によっては床が深刻なダメージを負います。

黒檀(コクタン)のように、重すぎる家具を置き続ける事で、床材にヒビが入ったり、床が抜ける事もあります。

 

主に、黒檀(コクタン)などの重い木を使用した家具が、海外の宮殿などで使用される事が多い理由の一つでしょう。

 

キャビネットやテーブルとして利用される事もありますが、加工性の難もあって、非常に高値で取引される家具となります。

日本の場合には、比較的小ぶりのテーブルや、仏壇などに利用される事が多いと思います。

黒檀(コクタン)の品質にもよりますが、テーブルだと数十万~数百万と価格にも大きなバラツキがあります。

もしも、重い木材の家具を購入したい場合には、住宅の床強度を含めて検討する事をお勧めします。

黒檀と同じように、重厚で、黒い木として、「黒柿(くろがき)」があります。

黒柿についての記事もあります。

是非、この機会にご一緒にお読みください~⇩

また、同じように、黒い木として、有名なのが、「ウェンジ材」です。

ウェンジ材についての記事もございます。

ご一緒に、是非、一緒にお読みください⇩ 

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黒檀の経年変化を教えて?

  
…コクタン経年変化前


…コクタン経年変化後

黒檀(コクタン)は、重厚かつ強い艶を持つ木材です。

加工時に磨きを掛ける事によって、非常に美しく黒光りをして、長い間その黒い輝きを保ちます。

もちろん、木材ですので、乾性油によるメンテナンスが適している事は、言うまでもありません。

マグロ(超高品質で茶色のマーブルが一切見られない物)など、黒味が強い場合には、経年変化は黒がずっしりと重くなっていくイメージが近いと思います。

また、シマコクタンなど、茶色味の入ったコクタンの場合には、茶色が若干、黒味を帯びて経年変化していくでしょう。

他の明るい色の木材に比べて、経年変化の前後による見た目の差はあまり大きくありません。

黒檀(コクタン)は、とても硬いので、加工性にも難があるようで、大きな板は、採れるようですが、今度は、重さに問題がでてくるようです。

そこで一体、黒檀(コクタン)は、どんなものに使われているのか、気になりませんか?

そんな記事はこちらの記事になります。

やはり、大きな板が採れる、しかし重い。。

そんな黒檀には、やはり、仏壇でしょうか。。

仏壇には、黒檀を素材として、使われているものが多いです。

そんな記事を一緒にお読みになり、是非、黒檀博士になってください⇩

仏壇など重いものに、使われているのは、有名なようですが、実は、もっと身近なものにたくさん使われているのです。

そんなことを書いた記事が⇩の記事になります。

一緒にお読みください~

黒檀についてのまとめ

黒檀(コクタン)は、希少性の高い木材の一つですが、銘木の中では知名度が抜群に高いために、希少性と価格がかけ離れている木材の一つです。

人気の高さや知名度の高さからも、残念ながら偽物の非常に多い木材となっています。

価格が高いからと言って、必ず本物であるという保証が付けられない部分もあり、判別も困難を極める木材でしょう。

黒い木材としては、代表的な黒檀(コクタン)です。

世界的にも珍重されている事は、間違いありません。

やはり、信頼のおける材木店などを探し出して、ぜひ、本物のコクタンの魅力的な世界を体験してみてください。

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木材

Posted by MOhkubo