黒檀てどんな木?種類・特徴・使われる家具・色の変化などを総まとめ
木材は、古くから人間にとって多く利用されてきた素材です。
建造物や家具など、さまざまな利用方法のある“木材”ですが、人々は更に多くの利用目的を見出すために、世界中の樹木を探索しました。
そうして、樹木が次々と発見され、新しい使用方法も見つけられてきました。
色々な樹木がある中で、生息数が少なかったり、希少価値が高い木がある事も分かってきています。
そうした珍しい木は、人々の興味をそそり、好奇心の対象となってきました。
更に、それらを収集する人も出てくれば、身の回りを珍しい木で飾る人も現れます。
多くの人を魅了する珍しい木、希少価値の高い木の事を総称して“銘木”と呼びます。
木材といえば、一般的には、白色や黄色、茶色といったイメージがあると思います。
しかし、黒い木を、初めて見た方は、さぞや驚いた事でしょう。
日本で、黒い木といえばクロガキが、古くから珍重されていました。
輸入される木材の中で、代表的な黒い木といえば、黒檀(コクタン)です。
心の奥にまで入り込むような、黒い木の魅力、黒檀(コクタン)の話をして行きましょう。
黒檀(こくたん)ってどんな木?産地など
黒檀(こくたん)は、その漢字が示すとおり、黒い木という意味です。
カキノキ科の樹木で、英語ではebony(エボニー)と言います。
木材として表記する場合には、コクタンとカタカナで書く事が多いでしょう。
南アジアからアフリカにかけて、生息する樹木で、産地によっても色合いなどが若干異なってきます。
樹木としては、20~30メートル程度まで成長するのですが、発育が、とても、遅い木です。
黒檀は、比重がかなり高い木材で、つまり、ぎっしりと詰まっている木になりますので、成長が遅い事は仕方の無い事と言えるでしょう。
中国を通って輸入された木を、唐木(からき)と呼んだ歴史があるのですが、日本では、黒檀は、三大唐木として珍重された木材の一つです。
- シタン
- コクタン
- タガヤサン
の3種を三大唐木と呼びます。
黒檀(こくたん)には、どんな種類があるの?
分類学的には、4種類あるのですが、材木店や銘木店などで取引されるコクタンは、以下の分類が多いかもしれません。
- シマコクタン(縞黒檀)
チョコレートブラウンと黒の織りなすマーブルが美しいコクタン。
- コクタン(本黒檀)
シマコクタンよりも黒が強調される事の多いコクタン。
- マグロ(真黒)
茶色が入っておらず、真っ黒なコクタン。
- アオコクタン(青黒檀)
乾燥前に緑色を若干呈する事から名前が付くコクタン、産地の限定がある。
- アフリカコクタン
アフリカで産出されるコクタン、アフリカンブラックウッドとは別物。
- 塗りコクタン(塗黒檀)
低品質のコクタンや、別の木材にインクなどを流して黒く染めた物。いわゆる紛い物。
といった商品名で、取引はされますが、実際のところは、アオコクタン、アフリカコクタンを一般のお店で見る事は無いと思います。
マグロというコクタンの商品名があるのですが、この定義もあいまいな部分があります。
黒檀(コクタン)の中で、超高品質で、茶色のマーブルが一切、見られない物を、マグロと呼ぶ事もありますし、アフリカ産のコクタンをマグロと呼ぶ事もあります。
これは、扱う業者や店舗によって異なります。
商品名に厳密な定義があるとも限らない事が、木材の難しい所と言えるでしょう。
塗りコクタンは、エボナイズされた木と称するのですが、悪質な業者の場合には、塗りコクタンを本黒檀と銘打って、販売する事も珍しくありません。
近年のエボナイズは、非常に精度が高く、外見や堅さなど本物と見分けが付かない事もしばしばです。
実際に削るなどの加工をした際、ほのかに香るコクタンの芳香で、判別をする方法などはありますが、お勧めは出来ません。
やはり、信頼のおける店舗や、業者などから、購入する事が最も確実ではないでしょうか。
黒檀(コクタン)は、唐木三大銘木として、有名ですが、他に鉄刀木(タガヤサン)という木材があります。
「鉄の刀のように硬い木」ということから、名前がついたようですが、鉄刀木(タガヤサン)についての記事もございます。
是非、ご一緒にお読みになり、唐木三大銘木についても詳しくなり、もっともっと木材について愛着を持ってくださいませ~⇩
黒檀には、どんな特徴があるの?
- 黒檀テーブル
- 黒檀の花台
黒檀(コクタン)に限らず、気乾比重が1.0を超えてくるような重い木を家具に使用する場合には、その大きさが問題となってきます。
単純な比較は出来ませんが、例えば、大きなテーブルをスプルース(気乾比重0.4)で作ったとしましょう。
同じ大きさのテーブルを黒檀(コクタン)気乾比重1.0で作った場合に、その重量は2.5倍になります。
黒檀(コクタン)は、比較的大きな板が採れる樹木なのですが、あまりに大きな家具を作った時には、場合によっては床が深刻なダメージを負います。
主に、黒檀(コクタン)などの重い木を使用した家具が、海外の宮殿などで使用される事が多い理由の一つでしょう。
キャビネットやテーブルとして利用される事もありますが、加工性の難もあって、非常に高値で取引される家具となります。
日本の場合には、比較的小ぶりのテーブルや、仏壇などに利用される事が多いと思います。
黒檀(コクタン)の品質にもよりますが、テーブルだと数十万~数百万と価格にも大きなバラツキがあります。
もしも、重い木材の家具を購入したい場合には、住宅の床強度を含めて検討する事をお勧めします。
黒檀と同じように、重厚で、黒い木として、「黒柿(くろがき)」があります。
黒柿についての記事もあります。
是非、この機会にご一緒にお読みください~⇩
また、同じように、黒い木として、有名なのが、「ウェンジ材」です。
ウェンジ材についての記事もございます。
ご一緒に、是非、一緒にお読みください⇩
黒檀の経年変化を教えて?
加工時に磨きを掛ける事によって、非常に美しく黒光りをして、長い間その黒い輝きを保ちます。
もちろん、木材ですので、乾性油によるメンテナンスが適している事は、言うまでもありません。
マグロ(超高品質で茶色のマーブルが一切見られない物)など、黒味が強い場合には、経年変化は黒がずっしりと重くなっていくイメージが近いと思います。
また、シマコクタンなど、茶色味の入ったコクタンの場合には、茶色が若干、黒味を帯びて経年変化していくでしょう。
他の明るい色の木材に比べて、経年変化の前後による見た目の差はあまり大きくありません。
黒檀(コクタン)は、とても硬いので、加工性にも難があるようで、大きな板は、採れるようですが、今度は、重さに問題がでてくるようです。
そこで一体、黒檀(コクタン)は、どんなものに使われているのか、気になりませんか?
そんな記事はこちらの記事になります。
やはり、大きな板が採れる、しかし重い。。
そんな黒檀には、やはり、仏壇でしょうか。。
仏壇には、黒檀を素材として、使われているものが多いです。
そんな記事を一緒にお読みになり、是非、黒檀博士になってください⇩
仏壇など重いものに、使われているのは、有名なようですが、実は、もっと身近なものにたくさん使われているのです。
そんなことを書いた記事が⇩の記事になります。
一緒にお読みください~
黒檀についてのまとめ
黒檀(コクタン)は、希少性の高い木材の一つですが、銘木の中では知名度が抜群に高いために、希少性と価格がかけ離れている木材の一つです。
人気の高さや知名度の高さからも、残念ながら偽物の非常に多い木材となっています。
価格が高いからと言って、必ず本物であるという保証が付けられない部分もあり、判別も困難を極める木材でしょう。
黒い木材としては、代表的な黒檀(コクタン)です。
世界的にも珍重されている事は、間違いありません。
やはり、信頼のおける材木店などを探し出して、ぜひ、本物のコクタンの魅力的な世界を体験してみてください。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません