ソノケリン木材ってどんな木?種類・特徴・使われる用途などを総まとめ
木材の名前で「ソノケリン」と聞いても、ほとんどの方は、ピンと来ないかもしれません。
何故ならば、日本ではソノケリンという木材の名前で流通する事はまず無いからです。
では、何という名前で流通しているかと言えば、「紫檀(シタン)」という名称が圧倒的に多いでしょう。
紫檀(シタン)といえば唐木三大銘木に含まれる、高い人気を誇る銘木の1つです。
- 紫檀(シタン)
- 黒檀(コクタン)
- 鉄刀木(タガヤサン)
この3種類のうちの1種類と考えれば、古くから、どれほど人気が高かったのかが想像できるでしょう。
紫檀(シタン)といえばローズウッドの仲間です。
紫檀は、市場価値の高さから乱伐採が横行して、資源の枯渇も近いとされる木材です。
ここでは、ソノケリン木材に注目して、ローズウッドの話までして行きたいと思います。
それでは、「ソノケリン木材ってどんな木?種類・特徴・使われる用途などを総まとめ」を最後まで、是非、お読みください。
ソノケリン木材ってどんな木?
ローズウッドは、マメ科・ダルベルギア属(ツルサイカチ属)の木材で、切った時に、芳香を持つ物を総称したものです。
もともと、非常に高価な木材として人気のあったインドローズという木材があったのですが、インドローズは、インド原産の樹木です。
その種をインドネシアに植えて、植樹した物が独立種として、扱われるようになり、ソノケリンという名前になったという経緯があります。
気乾比重は、約0.9で、木材としては、非常に重く、堅いのですが、ローズウッド材の中では、比較的軽い部類に入るでしょう。
ソノケリン材にはどんな種類があるの?
ソノケリン材は、商品名では「シタン」もしくは「紫檀」と表記される事が多いと思います。
ソノケリン木材は、複数の種類にまたがる木材ではありません。
ソノケリン木材は、一種類なのですが、商品名で「本紫檀」と表記される別の木材もあります。
同じ紫檀の名前を冠しているにも関わらず、別の木材です。
これは、輸入業者や材木商によって表記が異なりますが、
- 「紫檀」はソノケリン
- 「本紫檀」はケランジィ
と漠然と把握しておけば、無難なのではないでしょうか。
ソノケリンもケランジィも共にダルベルギア属で、どちらもローズウッド材(香りを放つ木材の総称)になります。
ソノケリン材はどんな特徴があるの?
ソノケリン木材は、生育環境の違いから、インドローズに比べて成長が早い特徴があります。
成長が早いという事は、それだけ多くの材が産出されるという事です。
また、成長が早いという事で、木の表情や木目に違いが出てきます。
ソノケリン材の木目は、木目同士の感覚が広くなって、どちらかといえば大らかな表情と言えるでしょう。
木目は、紫色から黒色の縞をもちます。
辺心材の差は、明瞭で、心材は、緑褐色から濃い紫褐色です。
ソノケリン材にしても、インドローズ材にしても、どちらの表情も、素晴らしい事は間違いありません。
ただし、商業的にはソノケリン材の方が、お求めやすい価格になっています。
ソノケリン材はどんな用途に使われているの?
いかに、ローズウッド材の中では、軽く扱いやすいとはいっても、一般的な木材から比べたら、とても堅く、重い木材になります。
一般材とは、比べ物にならないほど、価格も高いですし、加工性にも重大な難がありますので、建築材としてや大きな家具類にはあまり用いられません。
日本では、古くから、紫檀(シタン)といえば、仏壇や経机などの仏具に、多く使われてきました。
ソノケリン材はつまり、紫檀ですので、主な使用目的は仏具と言って問題はないと思います。
現代では、仏具だけではなく、
- ギターなどの楽器材
- 装飾品
- ガングリップ
- ナイフグリップ
- アクセサリー
などに広く用いられます。
特注品になるとは思いますが、一枚板を利用したテーブルやウッドデッキなどに用いられる事もあるようです。
ただし、これは、限定的な用途になると思います。
このソノケリン木材は、紫檀(シタン)という名前で、流通されているといいます。
なので、ソノケリン木材という名前で探しても、ほぼ見つからないでしょう。
さて、その紫檀(シタン)という木材は、ローズウッドの仲間だといわれています。
ローズウッドという木材があるわけではなく、切ったときに甘い香りを漂わせる木材をすべて、ローズウッドというのだそうです。
そのローズウッドには、どんな木材があるのかをまとめた記事がございます。
とても興味深いかと思います。
是非、ご一緒にお読みください⇩
また、紫檀(シタン)と一緒に、唐木三大銘木である黒檀(コクタン)についての記事もあります。
黒檀が、どんな家具に使われてきたのかも興味があるところだと思います。
黒檀についても、とても有名な木材ですので、是非、一緒にお読みください⇩
そして、唐木三大銘木の「鉄刀木(タガヤサン)」についての記事は、こちらです⇩
ソノケリン材についてのまとめ
マメ科・ダルベルギア属(ツルサイカチ属)のローズウッドは、その全てがワシントン条約という希少生物の保護を目的とした条約によって制限を受けています。
非常に厳しい制限で、通常の輸入は、ほぼ難しい状態です。
以前は、ローズウッドの中でも、輸入が出来る木材と出来ない木材とで区別があったのですが、現在では全てが輸入出来ない木材に該当します。
つまり、今後、輸入材として通常ルートで入ってくる事は望めない木材なのです。
この事から、これからも、確実に、希少価値は増していく事になるでしょう。
しかし、希少だからといって、買い漁ってしまえば、それは資源の乱伐採にも繋がります。
あくまで自然環境保護の目的から存在する、ワシントン条約です。
良い木材を、末永く未来に残せるよう、私たちもしっかりと考えていきたいものですね。
最後まで、お読みいただきまして、有難うございました。