カリン材ってどんな木?特徴・使われる家具・フローリングについて総特集!
カリンという名前を聞くと、多くの方は、甘酸っぱい果物としてのカリンを思い浮かべるかと思います。
のど飴にもよく使われるカリンの実ですが、ここでお話するカリンという木材は、果物のカリンとは、全く別の植物となります。
木材として、「カリン」という木があるのです。
漢字では“花梨”と書きます。
ただでさえ、一般的な木材ではない花梨ですが、実は、花梨は超高級材の一つなのです。
更に、花梨だけではなく、本花梨という別の名前を持つ木もあり、はたまた、パドウクという別名で取引されたりもします。
非常に、高価な木材ですので、代用材や紛い物(まがいもの)もたくさんあります。
世界中に存在する貴重な木を“銘木”と称する事がありますが、花梨は間違いなく銘木の一つとして扱われる高級な木材です。
花梨をきっかけに、銘木の世界を覗いてみる事もまた楽しいかもしれませんね。
なるべく分かり易く、花梨について話を進めていきたいと思います。
カリン材ってどんな木?分布地など
花梨という木材は、その希少性や価値の高さから、様々な商品名で取引される事がある木材です。
何かの名前が偽物という定義ではなく、広義の花梨や狭義の花梨など、名前の付き方がとても難しいと考えてください。
どのようなネーミングで取引をされるにしても、基本的にマメ科の木材である事は大前提になるでしょう。
花梨についての前提ですが、
- 本花梨という木材
- 花梨という木材
の二つがあります。
それぞれ、別名もあるのですが、その性質上、表記が困難な上に、鑑別も定義も統一できる代物ではありませんので、ここでは割愛します。
本花梨は、気乾比重0.81~0.90ほどの堅い木です。
- ミャンマー
- タイ北部
- カンボジア
- ベトナム
などを中心に、生育していたのですが、過度の違法伐採により、絶滅危惧もしくは、絶滅した地域もあります。
花梨は、気乾比重0.57~0.63ほどで、本花梨に比べると柔らかい木になります。
- フィリピン
- インドネシア
- ニューギニア
- マレーシア
に生息しています。
歴史的に見ると、唐木(からき・とうぼく)として扱われてきました。
唐木とは、日本に輸入される木材のうち、中国を通過して取引された木材を指します。
本花梨と花梨とでは、価格帯は大きく異なります。
一般的に、カリン材と呼ばれる木材は、本花梨ではなく、花梨を指すと考えて問題ないでしょう。
カリン材は、どんな特徴があるの?
本花梨は、かなり堅い木として扱われます。
加工性もそれほど悪くなく、磨いた後の美しさも相まって非常に人気の高い木材です。
本花梨は、木材として取引する上で、パドウク、パドックといった商品名が用いられる事もあります。
赤から赤茶色の、非常に濃い色合いの木材です。
それに対して、花梨は、本花梨に比べるとやわらかく、加工性も良いと言えます。
一般的な木材としては、中程度からやや堅い木として扱われます。
花梨は、本花梨に比べると色合いも淡く、加工もしやすいのですが、乾燥に対しての抵抗性が本花梨に比べると若干落ちます。
取引の際、ナーラやリングアと言う商品名で表記されていた場合は、花梨として扱われる事が多いでしょう。
そこで、カリン材と似ているといわれている同じマメ科のリングア木材の記事もありますので、是非、一緒にお読みになり、木材についての知識を広げ、愛着もっていただけたら嬉しいです⇩
市場の現状としては、本花梨と花梨が、混同されて取引されている事が多いですね。
ただし、本花梨の名前を冠した花梨がある事に対して、花梨の名前を冠した本花梨は無いと考えた方が良いでしょう。
カリン材の木目として、珍しいのが、鳥眼杢(ちょうがんもく)というのがあります。
この鳥眼杢は、カリン材のなかでも希少価値の高い木目で、この木目のあるカリン材は、高値で取引されています。
また、珍しいカリン材の木目として、縮み杢(ちぢみもく)というのがあります。
縮み杢(ちぢみもく)は。。
- 縮面杢(ちりめんもく)
- 波状杢(はじょうもく)
- カーリー杢
と呼ばれています。
バイオリンなどの弦楽器に使用されることが、多い木目なので、バイオリン杢といわれることもあります。
こちらも、希少価値が高いために、高値で取引されることが多いです。
カリン材は、光沢が美しく、上記であげた木目の良さがより、引き立ちやすい木材です。
カリン材は、希少価値がありますので、気に入ったカリン材が見つかるまで、根気よくさがすことがおすすめです。
- カリン材を使用したりん棒
カリン材はフローリングにも使われているの?
製品の中には、本花梨と称されているフローリングがあります。
カリン材は、チーク材と並び、アジアを代表する銘木です。
丸太を割った面に水をかけて、濡れ色にすると、みるみる美しい赤みを帯び、バラに似た甘い香りまで漂わせます。
更に、削片を水につけると、美しい青色の蛍光色がでます。
価格も含めて、慎重に選ぶ必要のある木材です。
さて、花梨(カリン)材を代用としている木材に、ケンパス材という木材があることは、知らない人も多いのではないでしょうか。
ケンパス材も非常に優れた木材ですが、扱われ方によって、非常に低価格で販売されることもあるのです。
そのケンパス材が、非常に似ているとされている木材が、カリン材なのです。
ケンパス材についての記事もございますので、是非、一緒にお読みください。
ケンパス材という木材があることも知り、木材に対しての愛着が湧くことを期待します⇩
カリン材についてのまとめ
希少価値の高い銘木としての本花梨、高級材として人気のある花梨!!
人気の高い木材だからこそ、取引の際に混乱が生じるほどの複雑さはありますが、それだけ古くから人気のある木材です。
花梨が銘木として扱われないのか?と言えば、それも異なります。
花梨コブと呼ばれる木材は、銘木として、不動の地位を得ているほど、人気の高い木材です。
花梨コブの一枚板を用いた家具は、超高級家具としても取引されますし、非常に高価で取引される代物なのです。
一般的なお店で、本花梨を目にする事は、まず無いと思いますが、もしも、本花梨と花梨が並んでいたならば、軽く叩いて、その堅さやその質感を比べてみてください。
きっと目の詰まり方、色合いにそれぞれ独自の魅力を感じるでしょう。
商品名も含めて花梨について覚えておくと、もっと木と楽しく触れあえるかもしれませんね。
最後まで、お読みいただき、有難うございました。
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