ケンパス木材ってどんな木?種類・特徴・使われている用途などを総まとめ
ケンパスという名前の木材がある、と話を聞いたとしても、ほとんどの方は聞いた事がない木材の名前だと思います。
花梨(カリン)という銘木に隠れてしまった存在ともいえる木材ですが、非常に優れた木材である事に変わりはありません。
ここでは、ケンパス材についての紹介をして、ケンパス材が、いかに優れた木材であるかをお伝えできればと思います。
それでは、最後までお読みください。
ケンパス木材ってどんな木?産地など
ケンパス木材は、マメ科の広葉樹で、
- 東南アジア
- ニュージーランド
に生息しています。
水との重さを比べた数値である気乾比重は約0.77~0.95と、木材の中では、相当重い部類に入ります。
非常に大きく育つ特徴があって、大きな板が採れる事からも、様々な工業的な用途に用いられる木材です。
花梨(カリン)というこちらもマメ科の木材で、非常に人気が高い銘木があります。
希少価値も非常に高く、唐木(輸入された木材)の筆頭クラスに名前が挙がる木です。
唐木三大銘木の
- 紫檀(シタン)
- 黒檀(コクタン)
- 鉄刀木(タガヤサン)
に劣らない知名度と人気を誇ります。
ケンパス材は、花梨(カリン)材と同じ、マメ科という事もあり、表情や性質に似ている部分がたくさんあります。
しかし、非常に大きな樹木である事や、値段があまりつかない事から、粗雑に扱われてきた経緯があります。
たとえば、乾燥状態が悪かったり、製材が甘かったり、保存状態が悪いなどです。
こうして、粗悪な品質のケンパス材が出回ってしまったため、未だにケンパス材は、低品質な木材であるという印象が残ってしまいました。
木材としては、非常に使いやすく優れているのですが、一度ついてしまったイメージを覆すのは大変な事でした。
表情が近いので、花梨(カリン)材と同様に、銘木店で扱われる事もあるケンパス材ですが、どちらかといえば大きな板として取引される事も多く、銘木店よりも通常の材木店で取り扱われる事の方が多いかと思います。
取引される名前としては。。
- ケンパス
- 南洋カリン
- ニューカリン
などの名称がありましたが、花梨(カリン)材の代用というイメージも薄れてきました。
現在は、ケンパスという名前で取引される事が多くなっています。
ただし、先述の通り、「ケンパス」という名前の知名度が低いため、花梨(カリン)の名前を冠した名称で販売される事もあります。
さすがに、ケンパス材が、花梨(カリン)そのものの名前で販売される事は無いと思いますが、念のため花梨(カリン)と似た木材である事は覚えておくと良いでしょう。
ケンパス材はどんな特徴があるの?
…まるで唇が散りばめられたかのように、波紋が広がった模様をリップルマークといいます。
ケンパス材は、非常に大きく育つ樹木ですので、板も大きな物が採りやすくなります。
ケンパス材や近い樹木だと、50メートル~70メートルまで大きくなる事もあり、大きな材として流通します。
辺材は白色~黄白色、心材は赤褐色という点からも、花梨(カリン)と非常に近いのですが、大きな板がメインとなる木材ですので、その境界線が入る源平材は流通量からすると少なくなります。
木材としては非常に重く、堅い部類に入ります。
きちんと乾燥させた材は、非常に安定していて、耐久性も高いのですが、ケンパス材の取引状況からしても、粗雑な乾燥を施した材も多く流通しています。
しっかりと乾燥をさせて、良好な保存状態から流通したケンパス材は、非常に重厚で、美しい木材として評価できます。
ケンパス材はどんな用途に使われているの?
日本では、主な目的として、鉄道の枕木(線路に使う木)に用いられてきました。
その目的で、生産、輸入された木材と言っても良い程に、鉄道の枕木の適正が高い木材なのです。
元から堅く、重い木にも関わらず、薬剤の注入がしやすい特徴があるので、枕木の材として重宝されました。
また、大きな板が採れる事から、大きな構造物に用いられる事もあります。
現在では、鉄道の敷設や用途も徐々に減っていますが、発展途上国などでは、鉄道の枕木の需要もまだまだあります。
花梨(カリン)材の表情や性質と似ている事から、花梨(カリン)材の代用として用いられた歴史もあります。
その特徴と、大きな板が採れる特徴を利用して、一枚板から大物の家具材に用いられる事も多くあります。
リップルマークを活かしたテーブルや椅子は人気の高い製品となっています。
他には荷物を運ぶためのパレットやフローリング、ウッドデッキとして利用される事もあります。
特に、ウッドデッキの場合には無垢の一枚板から加工する事もありますし、伐採される現地で、ブロック状に加工されてから輸入される事もあります。
価格としては、一般的なウッドデッキ材よりも高い傾向にあります。
しかし、相場に関しては、知名度や人気によって大きく変動しますので、参考程度に留めるのが良いでしょう。
ケンパス材の代用として、使われる花梨(カリン)という名前の木材が沢山でてきました。
さて、花梨(カリン)材とは、どんな木材なのでしょう。
カリン材についての記事もございますので、是非、お読みください⇩
ケンパス材についてのまとめ
銘木の端材としては、あまり流通する事のないケンパス材ですが、その理由もお分かりいただけたでしょうか。
使用目的や樹木の性質から、ケンパスにはケンパスの、立派な活躍の場があります。
このページをご覧になって花梨(カリン)という木材の名前を知った方もいるかもしれません。
花梨(カリン)材は、銘木としては間違いなく有名な木材です。
もし、花梨(カリン)材を見かける事があった時には、ぜひとも、ケンパス材の名前を思い出してみてください。
そして、ケンパス材に出会う事があったら、価格と質とは必ずしも比例しないという事を、実際に見て触れて確かめてみるのも面白いのではないでしょうか。
最後までお読みいただきまして、有難うございました。