スプルース材とは、どんな木材?特徴・用途・価格などを徹底調査!

2024年3月17日

木の名前としてスプルースと聞いても、ほとんどの方は何の木だろう?と思ってしまうでしょう。

スプルースという名前で、取引される業界や業種は限定的ではあります。

しかし、多くの方が名前を知らなくても、その表情や色合いは、まさに「木材」と言われるイメージに最も近いと言える木なのです。

実際に、スプルース木材は、非常に多くの製品に使用されています。

名前こそ知らなかったとしても、スプルースを見た事がない方を探す方が難しいかもしれないほどに一般的です。

スプルース材は、白味の強いクリーム色で、まっすぐな木目が特徴です。

建築現場はもちろん、木の製品で似た表情の木材を見た時、もしかすると、それがスプルース材かもしれません。

木材としては、それほどまでに、一般的なスプルースですが、ここではどのように使われるのかを含めて掘り下げていきましょう。

木の魅力を知るには、スプルース木材を知る事が、近道かもしれません。

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スプルース木材とはどんな木?

日本で流通する場合は、スプルースという名称よりも米唐檜(べいとうひ)という商品名を付けられる事が多いのです。

 

同じく、

  • 北洋エゾ松(ホクヨウエゾマツ)
  • ホワイトウッド

という商品名も一般的でしょう。

産地の違いによって商品名が異なる事もありますが、これらの名称を冠する木材を総称してスプルースと呼びます。

米唐檜(べいとうひ)といって、「檜」という漢字が入っていますが、分類的には。。

  • マツ科トウヒ属

なので、檜(ヒノキ)とは関係ありません。

むかし、日本にスプルース木材を輸入した時に、外見が、ヒノキに似ている事から、米唐檜(べいとうひ)という名前がついたそうです。

 

生育地域は、とても広く、北はシベリア、南はビルマ(現在のミャンマー)あたりまで分布しています。

日本では、北海道から九州に至るまで、広い範囲で生育する樹木です。

もちろん、単一の樹木ではなく、30種以上の種類がありますので、種類によって発育地域も、若干、異なります。

常緑の針葉樹で、非常に大きく成長するという特徴もあります。

記録によると、北米には、高さ95mのスプルースがあるとされます。

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スプルース木材はどんな特徴があるの?

スプルース木材は、全体的に白味が強い木材で、辺材(木の外側)と心材(木の中心)の区別が、はっきりとしていません。

色としては、白色~黄褐色です

 

マツ科の樹木ですが、マツ脂とよばれるベトベト感も無く、弾力性がありながら、加工性が非常に良好です。

水と重さを比べた数値である気乾比重は、0.35~0.40ほどで、木材としては、とても軽い部類に入ります。

軽く柔らかい木材で、まっすぐな木目を持った大きな板が採れる事が特徴ですね。

このような特徴を活かし、海外では、昔から、様々な用途に使われてきました。

害虫被害に弱い性質もありますが、耐水性は比較的高いために、日本では。。

  • まな板

などの水回り製品に多く使われてきた歴史があります。

 

  • スプルーフ材 まな板

 

スプルース木材はどんな用途に使われているの?

スプルーフ木材は、建築材としても用いられ、

  • 壁材
  • 内装の化粧材

にも多く利用されます。

大きな板が採れる木なので、様々な家具材に用いられます。

  • テーブル
  • キャビネット
  • タンス
  • 小箱

に至るまで、あらゆる家具材として、使われています。

 

良質なスプルース材は、

  • ピアノの響材
  • ギター
  • ヴァイオリンのボディ材

にも使用されます。

 

  • スプルーフ材 ギター

スプルース材は、音を響かせるという点から、高級な弦楽器にも用いられることが多いです。

近年、多く使用される建築材としての規格木材で、SPF材という物があります。

DIYで、木材を使用する際に、ホームセンターなどでSPF材を購入する方も多いと思います。

 

このSPF材とは、頭文字を取った短縮語で、S(スプルース)P(パイン)F(ファー)の3種類の木材を規格化した物と考えてください。

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この3種類(スプルーフ・パイン・ファー)の木材は、いずれも、常緑針葉樹で、DIYをする方には、とても扱いやすく、価格が安価、供給が安定しているというメリットがあります。

 

パイン材については、詳しく調べた記事があります。

そちらの記事も参考にすると、DIYなど、やられる方はパイン材のファンになってしまうかもしれません。

是非、一緒にお読みになることをお勧めいたします⇩

スプルース材の価格は高いの?

スプルース材は、安定した供給が見込める木材で、その安定性からも、とても、多岐に渡る用途で、需要が多い木材だと言えます。

スプルース材の多くが、輸入材として扱われるため、国産材に比べると、相場の変動が大きいかもしれません。

 

あくまでも、目安となりますが、スプルース木材は、国産のスギ材と比べると、約1.5倍程度の価格、マホガニー材あたりの輸入材と比べると約1/2程度の価格になります。

スプルース材の価格は、中程度の価格帯になりますが、非常に大きい板の採れる木材ですので、その品質には大きなバラツキがあります。

 

スプルーフ材でも、良質な材は、価格も高くなりますし、中等材であれば、お求めやすい価格になります。

SPF材として、既に寸法が定まっている物に関しては、比較的に、価格は安定しているかと思います。

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スプルース材についてのまとめ

ホームセンターなどで、「木材詰め放題、1袋〇〇円!」といったセールを見た事はありますか?

10センチ程度の小さな板や、細長い棒状の物、ブロック状になった木まで、様々な形の物が、詰め放題になっている商品です。

あのBOXに入っている木材が、スプルース材というケースに多く出会います。

建築材や家具材としてカットした時に、あれほど多くの端材が出るという事なのです。

つまり、スプルース材は、それほど多くの用途で使われますし、非常に、一般的な木材ともいえる訳です。

スプルース材という名前に、馴染みがなかったとしても、きっと、どこかでスプルース材を見て、そして、触れていることでしょう。

私たちの身の回りにある木の製品は、スプルース材で作られているものが、たくさんあります。

「あぁ、あの白っぽい木がそうなのかな?」と、思いましたら、その木材こそが、スプルース材なのかもしれません。

柔らかい肌触りは、きっと多くの方にとって、親しみやすい木の魅力と言えるでしょう。

最後まで、お読みいただきまして、有難うございました。

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木材

Posted by MOhkubo